出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

京アニ放火、屋上への階段で19人犠牲 煙避けるために殺到か

第1スタジオ被害者発見場所のイメージ
第1スタジオ被害者発見場所のイメージ

 京都市伏見区桃山町因幡の「京都アニメーション」第1スタジオで18日に起きた放火殺人事件で、3階から屋上につながる階段に死者が集中するなど、建物内の犠牲者の位置関係が明らかになってきた。消防関係者は、従業員らが急速に上昇する炎と黒煙から逃れるために屋上に上がろうとして階段に殺到し、力尽きた可能性があるとみている。

 京都市消防局によると、火事が発生した18日、消防隊員が屋上から従業員を探していた際、3階に下りるための扉に気付いた。隊員が急いで扉を開けると、鍵は掛かっておらず、幅約1・2メートルの階段で、犠牲になった33人(18日時点)のうち19人が折り重なるように倒れているのを発見したという。

 2階で死亡した11人はフロア中央で点在して倒れていた。1階は中央に1人と音声収録室付近に1人、2階から3階に上がる階段でも1人が亡くなっていた。

 また、19日に新たに死亡した1人は1階中央付近に倒れているところを救助された。

 消防関係者は「犠牲者は屋上に避難しようとしたが、すさまじい量の黒煙に阻まれたりしているうちに煙を吸い込み、意識を失ってしまった状況などが考えられる」と話す。

 建物の南寄りに、3階までが吹き抜けになるらせん階段が設けられていたため、火の手があっという間に上層階に広がった可能性も指摘されている。このため、市と市消防局は19日、らせん階段がある3階以上・収容人員30人以上の建物に対し、実態把握と防火指導の実施を決めた。

 ただ、現時点で第1スタジオに消防法や建築基準法上の法令違反は確認されていない。らせん階段についても、2007年の建物完成時に、階段部分から上層階に煙が流れ込むのを遮断するための「防煙垂壁(たれかべ)」を設置。昨年10月の市消防局の査察でも、消火器や非常警報装置、避難通路の確保などに不備は見られず、避難訓練や消防計画の提出も怠っていなかった。

 消防関係者は「大量のガソリンをまかれて放火されることは、想定していない事態。きちんと対策を講じていても被害の拡大を防ぐのは難しい」と話した。

【 2019年07月19日 07時30分 】

ニュース写真

  • 第1スタジオ被害者発見場所のイメージ
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

    地域の政治・社会ニュース

    全国の政治・社会ニュース