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「2階の窓開かず」救出された社員、父に語る 京アニ火災現場

「京都アニメーション」第1スタジオの近くで、犠牲者を悼み涙ぐむ男性(20日午前10時40分、京都市伏見区)
「京都アニメーション」第1スタジオの近くで、犠牲者を悼み涙ぐむ男性(20日午前10時40分、京都市伏見区)

 京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件で、現場付近では20日午前、事件後初の土曜ということもあり、大勢のアニメファンらが献花に訪れた。救助された従業員の家族も現場を訪れ、息子から聞き取ったという出火当時の様子を語った。

 2階窓から救助された男性従業員の父親(75)は、助けてくれた近隣住民などに礼を言いたくて現場を訪れたという。

 父親によると、男性はやけどと一酸化炭素中毒のため病院で治療中。喉の痛みがひどく、長時間は話せない状態だが、両親に少しずつ当時の状況を話しているという。

 2階の窓から逃げようとしたが、窓が開かず近くにいた同僚と一緒に窓を破った。2階からは、はしごを掛けた近隣住民によって助け出された。「本当に感謝している」と話しているという。

 めいが巻き込まれた可能性があるという男性(72)=大阪府高槻市=も現場に足を運んだ。「弟から『娘から連絡がつかない』と聞いた。まだ入社1年目で活発な女の子だったのに…」とこわばった表情で話した。

 事件当日は近所の人たちも救助活動を行った。

 3階建てのスタジオの窓は割れ、炎が上がる中、「キャー」という女性の叫び声が響いた。避難者の中には火が衣服に燃え移ったままの人や、頭から血を流している人もいる。消防の救護所が設置されて負傷者が次々と搬送されたほか、近くの公園にも数人が避難。住民たちは負傷者の体を氷で冷やしたり、うちわであおいだりしていた。近隣の女性(54)は「全身にやけどを負って逃げていく人がいた。近くの人が水をかけてあげていた」と表情を曇らせた。

 近くで工事をしていた男性たちは、男女計4人を救助した。男性たちの話では、「助けて」と1階トイレから女性3人が叫んでいたので、窓の鉄格子を外し、1人ずつ中から引っ張り出した。2階のひさし部分には、若い男性が壁にへばりついて助けを待っていた。はしごでは高さが足りず、雨どいを伝って降りてきたところを下で受け止めた。助け出された男性は「まだ中に40~50人はいる」と話した、という。

【 2019年07月20日 18時02分 】

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