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社説:日産社長辞任へ 統治不全から脱却急げ

 特別背任などで起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の元側近が、トップであることに、無理があったようだ。

 日産は、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が、16日に辞任する、と発表した。

 不当に上乗せされた株価連動報酬を受け取った問題で、責任を取るかたちとなっている。

 ゴーン被告に重用された西川氏に、会社を任せられないとの声は以前からあった。

 今後の社内統治のために辞任はやむを得ず、もっと早く経営陣を代えておくという選択肢もあったと思われる。

 今回、問題となったのは「ストック・アプリシエーション権(SAR)」による報酬である。株価が事前に決められた水準を超えると、連動して差額を受け取れる。

 社内調査によると、西川氏は住宅を購入するために報酬の増額を求めていて、担当役員がSARの権利を行使する日をずらし、この間に株価が上昇したことで、本来より約4700万円も多い額を受け取ったとされる。

 同氏は、社内規定に違反するような指示をしていなかったと関与を否定するが、うのみにはできないだろう。結果だけみれば、背任と判断されても仕方ない。

 ゴーン被告の共犯者として罪に問われた元取締役は、株価連動報酬を報告書に記載しなかったことが不適切だったとされている。西川氏も、同様ではないか。

 日産は、ゴーン被告らの不正行為で会社が被った被害の総額は、350億円以上になるとの調査結果を明らかにした。損害賠償請求訴訟を、起こす方針だ。

 日産の株主、従業員、そしてユーザーは、西川氏を含む旧経営陣の行いに、あぜんとするばかりであろう。

 日産は、ゴーン被告の拡大路線の反動で、業績が低迷している。1万人を超える人員削減や、車種の選別といったリストラにも取り組んでいる。

 予定していた計2500億円の社債発行が延期されるなど、事はうまく運んでいない。不正報酬問題が業績回復を妨げている、との見方がある。

 企業連合を組むフランス大手ルノーとの不協和音は、早急に解消しておきたい。自動運転をはじめとする次世代技術の開発も、進めなくてはならない。

 経営陣を刷新して、統治不全と指摘される現状から脱却することが、何より求められる。

(京都新聞 2019年09月11日掲載)

【 2019年09月11日 13時00分 】

岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

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