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大津市の文書廃棄「遺憾」 職員の不当要求問題で審査会答申

大津市役所(大津市御陵町)
大津市役所(大津市御陵町)

 大津市職員が2013年、右翼関係者を伴って市に人事異動の希望を通すよう不当な要求をしたとされる問題で、学識者ら外部委員でつくる市情報公開・個人情報保護審査会が、市が事案の詳細を記録した公文書を廃棄した点について「廃棄は遺憾だ」と答申していたことが10日、分かった。市は、1年間の保存期間後の廃棄で適切な文書管理だと主張していたが、審査会は「10年保存に相当する」と指摘し、市に厳格な公文書管理を求めた。

 京都新聞社が入手したのは、「不当要求」行為を受けた際の一問一答の記録と、詳細報告書の2種類で計17枚。市はこれらの文書を廃棄したという。市職員2人と右翼関係者とされる人物らが13年3月22日、市の担当課を訪れて人事異動の希望を通すよう要求し、「オイ、コラ!」と叫んで机をたたく様子などが記載されている。

 市は、これらの行為を認めたが、不当要求に当たらないとしていた。これまで、「(概略を記した)別の報告書を作ったため、古い公文書は市文書取扱規程によって1年の保存期限が切れたため廃棄したとみられる。文書管理は適切だった」とした。しかし、問題に関する公文書の公開を市に請求した別の市職員が17年9月、「開示範囲が少なく不服だ」として、大学教授や弁護士ら5人が委員を務める同会に審査請求していた。

 答申によると、市は、2種類の公文書については「補助資料」で、その後に報告書1枚を作成したために廃棄したと、審査会に説明した。これに対し、審査会は「報告書には尽くすことのできない事情が記載され、証拠として有する価値は高い。廃棄に合理性は乏しい」と、市の規程に基づき、重要度の高い保存期間10年の公文書として管理すべきだったと指摘した。

 さらに、当初、市は、審査会に対して2種類の公文書は「不存在」とし、作成の事実を伝えていなかった。審査請求をした職員が市に対して起こした訴訟の中でこれらの文書を証拠提出し、存在が判明したという。市はその後、作成と廃棄を認めた。審査会は「市の対応は審理をいたずらに遅延させており、遺憾だ」と苦言を呈した。

 審査請求した市職員は、市に違法に関連公文書の開示を拒まれて精神的損害を受けたなどとして、国家賠償請求訴訟を大津地裁に起こしており、現在係争中。市人事課の小西元昭課長は「(一連の問題は)裁判中で、コメントできない」としている。

【 2019年09月11日 11時54分 】

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