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台風の農業施設被害、平成最悪 滋賀、農家は困惑

台風21号の強風で支柱が折れ曲がったビニールハウス(5日・草津市北山田町)
台風21号の強風で支柱が折れ曲がったビニールハウス(5日・草津市北山田町)

 滋賀県は12日、風速が観測史上最大を記録した台風21号による県内農業施設の被害が3332件(10日時点)に上り、平成の30年間で最も多かったと明らかにした。範囲は全19市町と広域におよび、ビニールハウスの損壊が8割を超えた。農家は「再建には莫大(ばくだい)な費用がかかる」と今後への不安を口にし、行政の支援を求めている。

 暴風によるビニールハウスの被害が2827件で、うち523件は全壊だった。鉄骨の農業用ハウスの破損が114件、果樹棚やネットの被害が105件あった。市町別では草津市が1026件と最も多く、東近江市が423件だった。

 平成に入って県内の農業施設被害は1998年の台風7、8号時の3199件(4億7千万円)が最多だった。県は今回、「まだ増える可能性がある」とみており、被害総額は算出できていない。金額ベースで最多だった昨年秋の台風21号の6億7600万円を上回る恐れもあるという。

 農家は苦悩している。近畿最大級とされるビニールハウス群がある草津市北山田町の「小笹農園」では、所有する26棟のハウスの半分でビニールがはがれた。小笹敬造さん(26)は「ホウレンソウの種まきが遅れる。収量にも影響が出るかもしれない」と懸念する。付近ではハウスが全壊した農家も多く、「行政の支援がほしい」と訴えた。

 復旧支援について、県は「農家が加入する農業共済や保険での対応が基本」との立場だが、昨年の台風21号ではビニールハウスなどの再建に補助金を出している。農業経営課は「被害が甚大だったので、状況を把握した上で、県として何ができるか検討したい」としている。

 農作物被害も10日時点で竜王町など9市町の141ヘクタールに上った。ナシなど果物の落果が8割超と目立つ。水産業でも琵琶湖の定置網エリが倒れて傷つくなど、大津市など9市町の120カ所で被害が出た。

【 2018年09月13日 08時45分 】

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