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強度行動障害の支援団体立ち上げへ

結成総会に向けて話し合う和田泰代さん(右)たち=野洲市
結成総会に向けて話し合う和田泰代さん(右)たち=野洲市

 滋賀県内の福祉関係者らが21日、強度行動障害の長男がいる守山市の家族を支援する「障害児者の暮らしの場を考える滋賀県民の会」を近江八幡市で立ち上げる。家庭内だけで支えるのは極めて困難な障害だが、入所施設はどこも満員だ。支援者は「先進県と言われた滋賀の福祉は壊れかけている。障害があっても安心できる社会を目指したい」と話す。

 強度行動障害は自傷行為や睡眠の乱れが通常考えられない頻度と形式で現れている状態を指す。守山市下之郷の和田進さん(58)、泰代さん(50)夫妻の長男智泰さん(18)は重度知的障害と自閉症もあり、生活全般で介助が必要だ。

 今春卒業した野洲養護学校の寄宿舎では普通に眠れていた。しかし、一家4人が過ごす2LDKの自宅アパートでは、壁や天井を繰り返したたいたり、あざができるほど自分の体をつねったりすることがある。県内外の施設から「人手がとられる」「圏域内の人が優先」との理由で入所を断られた。現在は生活介護の作業所に通っている。

 夫妻は毎晩4時間、近所に配慮して、ドライブ好きの長男を車に乗せて走る。就寝はいつも「午前さま」だ。進さんは智泰さんが小さい頃、自宅で過ごす時間を増やすために正社員だった会社を辞めた。今は早朝の新聞配達など二つの仕事をかけ持ちで家計を支える。泰代さんは「智泰も娘もどちらもかわいくて、いとしい。でも、毎日がしんどくて体がもたない。本当に困っている。助けてほしい」と涙を流す。

 一家に密着したテレビ番組が4月放送されると、県内の養護学校に通う生徒の保護者や作業所職員が「取り返しのつかないことになる」「人ごとでない」と支援の形を模索しはじめた。同会は、県内の実態を調査し、行政にも必要な手だてを講じるように働きかけていく。

 事務局長に就く予定の立岡晄(あきら)さん(71)=東近江市=は「困っている人は少なくない。どう救うのか。みんなで考えませんか」と入会を呼びかける。

 結成総会は近江八幡市鷹飼町の男女共同参画センターで午後1時半から。続くシンポジウムでは「滋賀の福祉を拓(つく)る」をテーマに、知的障害者と家族でつくる滋賀県手をつなぐ育成会の崎山美智子理事長らが話し合う。入場無料。

【 2018年10月18日 12時30分 】

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