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ビワマス1匹「ぴょん」遡上確認 魚道設置の取り組み実る

設置された魚道を上るビワマス(9日、野洲市冨波甲の中ノ池川)=提供
設置された魚道を上るビワマス(9日、野洲市冨波甲の中ノ池川)=提供

 滋賀県野洲市中心部を流れる家棟川(やなむねがわ)に琵琶湖固有種のビワマスを呼び戻そうと取り組むグループがこのほど、同川支流に設置した魚道でビワマス1匹が遡上(そじょう)する姿を確認した。関係者は「ビワマスがわれわれの気持ちに応えてくれた」と喜ぶ一方、「密漁されないよう警戒したい」と話す。

 ビワマスは約60年前まで、産卵のために家棟川支流の中ノ池川を通り、JR野洲駅近くの祇王井川まで遡上していた。しかし、中ノ池川に落差工と呼ばれる高さ約3メートルの斜面が造られ、上流では姿が見られなくなった。

 グループは、NPO法人家棟川流域観光船や地元自治会、県や市などで組織。3年前から、落差工に段差を造り魚道を設けている。毎年改良を続け、今年は50センチあった1段目の高さを25センチまで低くして遡上しやすくした。

 魚道を設置した10月中旬から毎日、メンバーが周辺を調査し、今月9日に初めてビワマスの姿を確認。その後、中ノ池川を市中心部近くまで遡上している姿が見られた。グループ代表の山本義昭さん(74)はビワマスが魚道を上りきる様子を目撃したといい、「ぴょんとはねて上っていった。うれしくてたまらなかった」と喜ぶ。

 山本さんは「今回は1匹だったが大きな一歩だ。魚道の改良を続け、さらに多くのビワマスの遡上を目指す」と意気込む。一方で、魚道近くで不審な人物を何度か見かけ、注意したといい「密漁への警戒意識も高めていかなければ」と話す。

【 2018年11月15日 09時08分 】

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