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大戸川ダム「早期着工が住民の願い」 予定地視察の知事に訴え

大戸川ダム計画で集団移転した集落跡地を視察し説明を受ける三日月知事(中央)=大津市上田上大鳥居町
大戸川ダム計画で集団移転した集落跡地を視察し説明を受ける三日月知事(中央)=大津市上田上大鳥居町

 本体工事が凍結されている国の大戸川ダム(大津市)計画で、滋賀県の三日月大造知事は29日、水没予定地域の旧大鳥居地区の集落跡地を初めて視察した。案内した移転住民は「先人たちは苦渋の決断で故郷を出た。一日も早い着工が住民の願いだ」と訴えた。

 ダム計画で旧大鳥居地区(47戸)を含む計53戸が現在の大鳥居地区に移転し、3月で丸20年がたった。

 現場には新名神高速道路のトンネル工事で掘削した土砂約70万立方メートルが2000~08年に搬入されており、ダムの基礎工事で使う骨材として山積みにされたままになっている。

 大鳥居地域開発協議会の谷一廣会長(64)や青木洋治大鳥居自治会長(65)ら4人が視察に立ち合った。谷会長は30代半ばまで過ごした集落の思い出を交え「何とかダムの完成を先人に報告したい。知事は県民、下流住民のためにも英断を」と方針転換を求めた。

 三日月知事は「もっと早く訪れるべきだった」と陳謝した上で、「もともと住んでいた人の思いはいかばかりか。言葉にならない。現場を見て皆さんの思いを受け止めた」と述べた。県は移転住民の私有林が広がる周辺の林道管理を担うことを約束した。

 この後、三日月知事は大戸川上流の甲賀市信楽町黄瀬地区も訪問し、住民ら15人と意見交換した。

 ダム建設の凍結で進められない上流部の河川整備や、県道栗東信楽線の付け替え工事の早期実現を求める声が相次ぎ、安田佐登志区長(69)は「われわれの願いはダム建設を進めることで実現する」と述べた。

【 2018年11月29日 23時20分 】

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