出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

二つの切断遺体事件、被害者と被告が一時同居

最初に右脚が見つかった湖岸緑地付近(近江八幡市牧町)
最初に右脚が見つかった湖岸緑地付近(近江八幡市牧町)

 10年半の時を経て、事件は解決に向けて大きな一歩を踏み出した。2008年に滋賀県近江八幡市などの琵琶湖岸6カ所で相次いで切断遺体が見つかった「琵琶湖バラバラ殺人事件」。身元が野洲市の川本秀行さん=当時(39)=と判明し、さらに草津市で切断遺体が見つかった別の事件で逮捕、起訴された男と知人同士だったことも分かった。「本当に時間が掛かった」「犯人を捕まえて」。川本さんの知人や発見現場の住民からは真相究明を求める声が挙がった。

 右脚が見つかった近江八幡市牧町の湖岸緑地。人の姿はなく、白い花がひっそりと咲く。近くの特別養護老人ホーム職員の男性(37)は「最近はバラバラ殺人が県内で多いが、当時は本当に物騒だと思っていた。身元が分かって良かった」と語った。

 近くの浜でボランティアの清掃を続ける男性(63)も「やっと身元が分かったんやね。早く犯人を見つけてもらわんと」と捜査の進展を願った。

 事件発覚後、身元の特定は難航した。滋賀県警は捜査員延べ3万1千人を投入し、身元不明者約10万人を調べた。解決に結びつく情報提供に報奨金300万円が払われる制度を活用。情報提供は10月末時点で約850件に上った。

 川本さんが所在不明になっていることを県警が把握したのは1、2年前。膨大な運転免許の未更新者の中から不明者を一人ずつ調べ上げ、親族らの聞き取りやDNA鑑定などを進め、11月上旬に身元を特定した。

 捜査幹部は「あらゆる捜査を尽くして、犯人を検挙する」と力を込めた。

 野洲市の県営住宅には1996~03年の川本さんの入居記録が残る。ただ自治会費の支払いは01年11月を最後に途絶えていた。住人の女性(61)は「(事件の似顔絵と)目元は似ている気がする」と話す。15年ほど前には、妻と幼い息子と生活していたという。

 さらに今年8月に草津市の中川直(すなお)さん=当時(69)=の遺体が見つかった事件で、死体遺棄罪などで起訴された被告の男(68)=守山市=と、川本さんのつながりが浮上した。

 関係者によると、2人は10年以上前、中川さんも入居していた草津市内の建設会社寮で生活、その後、2人で栗東市内で一緒に暮らした時期もあった。連れだってパチンコに行くこともあったという。

 2人を知る男性は「川本さんは温厚で子煩悩な人だった。もしも、10年前のバラバラ殺人と草津市の死体遺棄事件がつながっているとしたら、恐ろしい話だ」とつぶやいた。

【 2018年12月01日 11時32分 】

ニュース写真

  • 最初に右脚が見つかった湖岸緑地付近(近江八幡市牧町)
京都新聞デジタル版のご案内

    滋賀のニュース