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有害鳥獣のみ駆除のはずが…銃声で湖岸の水鳥まで消え中止

散弾銃による有害鳥獣駆除が行われた平湖。滋賀県内外から釣り人が訪れる(滋賀県草津市志那町)
散弾銃による有害鳥獣駆除が行われた平湖。滋賀県内外から釣り人が訪れる(滋賀県草津市志那町)

 滋賀県草津市が市北西部の琵琶湖近くで行った散弾銃による有害鳥獣駆除が湖岸の水鳥に影響を及ぼし、1月の駆除計画を中止したことが21日までに分かった。発砲音で、対象外の水鳥まで岸に寄りつかなくなったといい、市は「湖岸の生態系に影響があると想定できなかった」と釈明。同市はコハクチョウなど渡り鳥の飛来地として知られ、環境団体からは「慎重にしてほしい」と声が挙がっている。

 市農林水産課によると、市内では12~2月にかけてカラスやカルガモ、オオバンなどにムギの新芽が食べられる被害が急増している。昨年度は防除音を発する機器を3台購入して駆除実験を行ったが「効果がなかった」ため、今年初めて冬場の銃猟に乗り出した。

 対象は志那町や下物町など9町の田園地帯。大半が鳥獣保護区であるため県と市の許可を得た上で、県猟友会栗太支部に委託した。12月4、11、18日の3日間でカラス、カルガモ、オオバン計81羽を駆除した。

 だが、発砲音は湖岸で羽を休める渡り鳥を驚かせた。環境ボランティア団体「草津湖岸コハクチョウを愛する会」によると、志那町周辺の岸の水鳥が一日中、沖に逃げたままだったという。市は「湖岸の野鳥までいなくなるとは思わなかった」と認識の甘さを認め、1月に3日間予定していた銃猟の中止を決めた。

 実弾を使った駆除そのものを不安視する声も。オオバンが多く生息する平湖(ひらこ)(同町)は平日も釣り人が訪れており、同会の吉岡美佐子理事長(71)は「事故が起きないか心配。鳥も人も安心して過ごせる場所を守ってほしい」と話す。市は「農業被害を見過ごす訳にはいかないが、今後、実施時期や場所を検討したい」とする。

【 2018年12月22日 07時10分 】

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