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流入抑えてきましたが…リン・窒素こそ琵琶湖の魚増やす?

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 琵琶湖の有機物の状態を調べてきた滋賀県琵琶湖環境科学研究センターなどは30日までに、アユなど湖魚の増減に植物プランクトンが想定以上の影響を与えている、とする研究結果をまとめた。今後、水質を維持しつつ、魚のえさになるプランクトンを増やせないか研究を進める方針だ。1977年の赤潮発生以来、琵琶湖では富栄養化につながるリンや窒素の流入が制限されてきたが、研究の進展次第で、これまでの水質管理の手法が見直される可能性もある。

 県立大と国立環境研究所、京都大が2016年度から共同研究した。琵琶湖の動植物プランクトンや細菌、単細胞生物などの間でやりとりされる炭素量の移動状況などを調べた。

 琵琶湖では、工場や農地、家庭から出るリンなどの流入を減らす「貧栄養化」が進められてきた。研究チームは貧栄養化の中でも湖魚の資源量が一定保たれてきたのは、細菌などの微生物が食物連鎖を底支えしているからだと仮説を立てた。しかし実際には、植物プランクトンの方が、魚のえさになる動物プランクトンの増減に大きく関係していることが分かったという。

 同センターは、湖魚を増やすには、動物プランクトンに食べられやすい種類の植物プランクトンを増やすことが重要だと指摘。来年度以降、琵琶湖に流れ込む河川へ人為的に低濃度のリンなどを供給し、狙った動植物プランクトンを増やすことが可能なのか研究する計画を立てた。国に研究推進費を申請している。

 仮にリンなどの供給で魚介類が増やせると分かれば、休耕田やビオトープを通じて土壌の栄養分を琵琶湖へ送ることが想定されるという。

 滋賀県は「飲料水として湖水をきれいにする取り組みをしてきたが、魚が住みにくい環境になっている可能性もある。どうすれば水質と生態系の保全が両立できるのか、慎重に検討していきたい」としている。

【 2019年01月31日 17時00分 】

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