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外国人観光客に人気「お茶体験」 京都・宇治田原

石臼で抹茶にする体験をするフランス人観光客(京都府宇治田原町南・丸伍製茶)
石臼で抹茶にする体験をするフランス人観光客(京都府宇治田原町南・丸伍製茶)

 外国人観光客が、お茶の体験を目当てに宇治田原町に訪れている。同町の茶業者からお茶の入れ方などを学ぶ企画がツアーに組み込まれ、人気という。同町は、写真投稿サイトで「ハートの窓」が全国人気になった正寿院(同町奥山田)への観光客が増えているが、日本緑茶発祥の地としての知名度はまだまだで、世界へのアピールには課題も多い。

 外国人観光客のお目当ては、同町南で宇治茶の製造と小売業を営む丸伍製茶。茶の入れ方を学んだり、石臼で碾(てん)茶をひいて抹茶にする作業を体験したりできる。

 フランスに本社がある旅行代理店の関係者が町商工会のホームページを見たことをきっかけに、ツアーに組み込まれたといい、2年ほど前から週末に外国人観光客のグループが訪れている。京都などに長期滞在するフランスからの訪日客が中心で、和束町で茶畑を見学した後に訪れることが多いという。

 旅行代理店担当者は「人があまり訪れない観光地を求めてツアーを探すフランス人は多い。茶の生産者の顔が見えることも人気の理由だろう」という。

 丸伍製茶代表の上野雅央さん(59)は「数年前までこんなことはなかった。ワイン農家なども訪れてくれた」と喜ぶ一方で、「国内の観光客がこちらに来ることはほとんどない」と話す。

 町は昨年3月、観光誘客による町活性化に向けて「観光振興計画」を策定したが、取り組みは途上だ。

 正寿院の人気を受けて、今年11月には週末に無料の観光周遊バスを試験運行し、誘客効果の評価を進めている。「永谷宗円生家」がある湯屋谷地区に、地域と観光客をつなぐ交流施設「お茶の京都交流拠点(仮)」の建設も決まり、観光客の受け入れ態勢を整えようとしている。

 ただ外国人観光客に向けたアピールは十分にできていない。町産業観光課の冨田幸彦課長補佐は「個別に対応するレベルにとどまっている。受け入れには町と民間の協力が必要だろう」と話す。

 山城地域を「お茶の京都」として海外に情報発信する事業に力を入れる一般社団法人「京都山城地域振興社」(宇治市宇治)の佐藤裕事業部長は、宇治田原町について「茶にまつわるスポットは多い。国内と国外からの観光客が同時に増えている今こそ、観光振興の大きな転機になるのでは」と指摘する。町の次の一手が求められている。

【 2017年12月09日 15時00分 】

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