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京都・先斗町の語源、広辞苑に新説 ポルトガル語説変更

夕暮れ時の先斗町通。お座敷に向かう舞妓は観光客の注目を集める(2016年9月、京都市中京区)
夕暮れ時の先斗町通。お座敷に向かう舞妓は観光客の注目を集める(2016年9月、京都市中京区)

 10年ぶりに改訂された広辞苑で、先斗町(ぽんとちょう、京都市中京区)の語源とされるポルトガル語由来の「ポント」の説明が変更された。編さん者だった国語学者、新村出(しんむらいずる)の説が一部削除され、京都地名研究会の会員が2015年に著書で主張した新説の内容が追加された。発行元の岩波書店によると、ポントの項目が大幅改訂されるのは1955年の初版以来初めてという。

 京都帝国大教授だった新村は25(大正14)年に京都日出新聞に掲載した「ぽんと町称呼考」で、「先」を意味するポルトガル語の「ポンタ」が変化し、鴨川に付き出した州崎地である先斗町の地名になったとした。こうした新村の考えを反映し、広辞苑の「ポント」では「(1)州崎の意。(-町)」としてきた。今回の改訂でこの部分が削られた。

 (2)として続く「カルタ賭博などで、真っ先に金を賭ける意か」との説明は残り、新たに「また、後と先に分けず先だけに賭ける意とも」という文が加わった。

 追加内容は、元銀行員で京都地名研究会会員の杉本重雄さん(67)=大阪府千早赤阪村=が自費出版した「先斗町地名考」で打ち出した。杉本さんは江戸期の文献で「ポントに張る(賭ける)」という用例を複数確認し、遊興地でカルタ賭博が盛んだったとみられる先斗町を指す言葉として定着したと推察。

 さらに、ポントはカルタ賭博で「先ばかり(に賭ける)」を意味するようになり、鴨川の岸の「先ばかり」に軒が連なる立地に合わせ、「先」と「ばかり(斗)」の漢字が当てられたと唱えた。

 出版後、杉本さんは著書を岩波書店に送付していた。杉本さんは「自説が反映され光栄です」と話した。

【 2018年01月23日 11時30分 】

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