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京都・日吉ダムの魅力とは 全国オススメランク4位

グラウンドゴルフを楽しむ人たちでにぎわう日吉ダム。年間55万人が訪れる、西日本で最も人気の高いダムだ(南丹市日吉町中)
グラウンドゴルフを楽しむ人たちでにぎわう日吉ダム。年間55万人が訪れる、西日本で最も人気の高いダムだ(南丹市日吉町中)

 京都府南丹市日吉町の日吉ダムが、完成から20年を迎えた。コンクリートの巨大な建造物から固いイメージもあるダムだが、リクルートライフスタイル(東京都千代田区)が編集する国内旅行誌「じゃらん」のウェブサイト「じゃらんnet」の「4月にオススメ全国ダムランキング」で4位となり、西日本ではトップ。年間55万人以上の集客数を誇る観光地でもある。人を引きつける日吉ダムの魅力とは。

 「長い横幅で水をせき止める姿が美しい。堤体の中にギャラリーがあって自由に見学できるし、夏祭りなどイベントもある。公的な構造物なのに開放された雰囲気が一番の魅力」と話すのは、一般財団法人日本ダム協会が認定する女性ダムマイスターのだしぇろさん(46)=向日市=だ。

 堤体は高さ67・4メートル、堤頂の長さは438メートルあり、訪れる人を圧倒する。減勢池には円形橋があり、人々が憩える芝生広場、入浴施設のある道の駅スプリングスひよしとつながる。府民の森ひよしなど豊かな山に囲まれ、一体感ある景観を造り出した点が評価され、1999年には日本建築学会賞を受賞した。

 2016年には近くの世木地区の住民を中心に、観光振興に向けた「ひよし龍の森プロジェクト」が始まった。ダム建設で水没した天若地区にあった天稚(あめわか)神社(現在は別の場所に遷座)の祭神が、住民のためにダム湖を龍の形にしたという神話を創作し、地域の魅力発信に活用している。

 日吉ダムの人気は、防災面の「活躍」への注目からも伺える。

 昨年9月の台風18号の直撃時には、「日吉ダムが頑張ってくれている」「耐えろ!日吉ダム」などの文字がツイッターに次々と投稿された。淀川水系桂川にあり、洪水調節の役割を担う日吉ダムへのエールだ。近年、近畿地方に大雨が降ると、見られるようになった。

 水資源機構日吉ダム事務所の今井敬三所長(57)は「2013年9月の台風18号の頃から、SNS(会員制交流サイト)などで日吉ダムに注目してくれる人が多いことに気付いた」と話す。

 13年の台風18号では、桂川の氾濫は旅館や土産物品が集中する嵐山・嵯峨地区などを直撃。右京、西京両区では桂川沿いを中心に300戸超が床上・床下浸水する被害が出た。

 当初、ツイッターでは「日吉ダムが放水したため、水があふれた」という根拠の無い投稿があったという。ところがその後、貯水量や放水量などのデータとともに「日吉ダムが被害を減らした」という投稿があり、日吉ダムへのエールが増えていった。

 実際、日吉ダムはこの時、洪水時最高水位を超え、京セラドーム37杯分(4455万立方メートル)に相当する水をため込んだ。おかげで、下流の亀岡市の保津橋地点では約1・5メートルの水位低減効果があった。今井所長は「ダムファンの人が、デマに惑わされず正確な情報をツイートしてくれた。水資源機構のサイトで情報を集め、グラフを作って投稿した人もいた」と振り返る。

 ダムの運用が始まってからの20年間に、洪水調節は33回あった。年平均1・7回だが、ここ5年間で12回(年平均2・4回)と頻度は上がっており、日吉ダムの存在感も高まっている。

【 2018年05月03日 17時00分 】

ニュース写真

  • グラウンドゴルフを楽しむ人たちでにぎわう日吉ダム。年間55万人が訪れる、西日本で最も人気の高いダムだ(南丹市日吉町中)
  • 堤体の内部は、自由に入れるギャラリーとなっている
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