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100年後に残る文様作ろう 京都の唐紙師がプロジェクト

「平成の百文様」づくりを模索するトトさん。新時代の文様や板木を新たにつくり、100年後に残す活動に乗り出す(20日、京都市右京区・雲母唐長アトリエ)
「平成の百文様」づくりを模索するトトさん。新時代の文様や板木を新たにつくり、100年後に残す活動に乗り出す(20日、京都市右京区・雲母唐長アトリエ)

 100年後に残る文様を一緒につくりませんか-。建物や美術品、染織品を彩る文様を新たに創造しようと、京都市右京区の唐紙師トトアキヒコさん(47)が「平成の百文様」のプロジェクトを立ち上げた。ふすま紙などに使われる唐紙は花鳥風月や幾何学などの文様がある。業界は先細りで伝統の継承が危ぶまれることから、文様やデザインに関わる人らと連携。後世に引き継げるような100の文様を考案する計画だ。

 トトさんは唐紙老舗「唐長」11代目の長女千田愛子さん(44)の夫。社寺のふすま紙といった文化財修復などの家業に携わる中で、文様が消えてゆく恐れを抱くようになったという。

 唐紙は彫りの入った「板木(はんぎ)」を用いるが、現存する約600枚は多くが江戸-大正時代につくられたものという。京都の同業者は廃業して他になく、板木を彫る専門の職人も途絶えている。「先人や祖先が残した板木や文様があるため、僕たちの世代は困らない。でも、このまま何もしなければ板木や文様はいずれなくなる」。4月ごろ、愛子さんと文様創造のプロジェクトを本格始動した。

 和装関係者や和菓子の職人らを含め文様やデザインに詳しい人、木彫の職人らと連携し、平成から改元後の数年にかけて100の文様を考えたいという。

 唐紙は和歌を書く紙にも使われていた。百人一首ゆかりの小倉山そばに自らの工房を構えた縁から、新たな文様入りの和紙に、和歌をしたためて詠み上げる活動も構想。文様や唐紙を文化として振興するため、京都市とも協議している。

 すでに新たな文様をいくつかつくった。「嵯峨雲母菱」は、成長と繁栄を表す菱文様をアレンジし、工房を持つ嵯峨で人と交わりながら文様づくりをする決意を込めた。「季の茶」は、一般的な松竹梅に代わり、茶葉やユズなどを円内に描いている。

 トトさんは「単なるデザインではなく、時代の空気をまとい、祈りや願いを込めた文様を生みだして、100年後の人たちに受け渡したい」と話している。問い合わせは「雲母唐長」075(873)2565。

【 2018年06月11日 11時08分 】

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