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信長の香木切り取り、天皇が無念記す 京博で手紙など展示

織田信長による蘭奢待切り取り事件のことを書き記した「正親町天皇宸翰御消息」(京都国立博物館提供)
織田信長による蘭奢待切り取り事件のことを書き記した「正親町天皇宸翰御消息」(京都国立博物館提供)

 京都国立博物館(京都市東山区)が新たに収集した美術品や文化財を紹介する「新収品展」が12日、同博物館平成知新館で始まった。8年ぶりの開催で、織田信長が正倉院宝物の香木「蘭奢待(らんじゃたい)」を切り取った事件にまつわる天皇の手紙や、中国・前漢の正史「漢書」の写本など、国宝や重要文化財を含めた約80件を展示している。

 重文「正親町天皇宸翰(しんかん)消息 蘭奢待云々(うんぬん)」は蘭奢待を信長に下賜した際、天皇が九条稙通(たねみち)に宛てた。1574(天正2)年、信長は蘭奢待から2片を切りとり、1片を手元にとどめ、もう1片を正親町天皇に献上したが、天下第一の名香とされ、切り取った人物は歴史上限られる。天皇は「ふりょ(不慮)に勅封(ちょくふう)をひらかれ」と手紙に記し、信長の強引な要請に応じて天皇家ゆかりの正倉院を開けざるを得なかった無念さがにじむという。

 国宝「漢書楊雄伝(ようゆうでん)第五十七」は、紀元前202年に建国された前漢の正史の一部を中国唐代に写した。

 ほかにも、江戸時代に琳派を確立した尾形光琳・乾山の兄弟合作の「銹絵(さびえ)寒山拾得図角皿」(重文)、淀藩・稲葉家伝来の染織品など多彩な逸品が並ぶ。

 新収品展は2010年以来で、建物建て替えなどのため催していなかった。17年3月までの約7年間に購入・寄贈で収蔵した1435件の一部を紹介する。

 7月16日まで。月曜休館で、月曜が祝日の場合は火曜休館。有料。

【 2018年06月12日 23時00分 】

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