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長刀鉾の長刀、戦乱で略奪 京都・祇園祭、銘に経緯

「平安城住三条長吉作」「去年日蓮衆退治~」の文字が入った刀身(長刀鉾保存会所蔵)
「平安城住三条長吉作」「去年日蓮衆退治~」の文字が入った刀身(長刀鉾保存会所蔵)

 祇園祭の前祭(17日)の山鉾巡行で先陣を切る長刀鉾の2代目長刀に刻まれた銘から、その来歴や作者が分かったと京都国立博物館(京都市東山区)が2日発表した。室町時代に日蓮宗徒が襲撃された「天文法華の乱」の混乱で略奪され、その後に手に入れた近江の刀鍛冶が八坂神社に奉納して戻ったという。

 鉾の象徴となる長刀の学術調査は初めて。京博は、戦乱による中世の洛中や祇園祭の混迷を確認できる点で重要としている。

 長刀は長さ147センチで、京博学芸員が秋の企画展に向けて調べた。柄をはめて握る部分の表裏に銘があり、京の刀鍛冶・後三条派の長吉が「平安城住三条長吉作」と入れ、作製年代を「大永2(1522)年6月3日」と記していた。

 また、近江発祥の鍛冶集団「石堂派」の祖・助長が、天文6(1537)年に銘を追記していた。「去年日蓮衆退治之時分捕仁仕候~」と、延暦寺の衆徒や近江守護六角氏が京都で日蓮宗徒を襲った乱の際、鉾町から持ち去られたと記述。東近江市の石塔寺近くに住む助長が見つけて買い取り、「感神院(八坂神社)」に返納したという経緯を刻む。

 京博は「長刀は当時から祇園祭の象徴として知られており、重要なものとして略奪されたのではないか」としている。

 長刀鉾保存会や京博によると、江戸初期に3代目の長刀「来金道(らいきんみち)」がつくられた後、2代目は神品として箱で厳重に保管されるようになった。儀式で使われるが箱から出すことはなく、学術調査も行ってこなかった。保存会の井上俊郎理事長(61)は「銘文を見たのは私も初めて。祭りや神品を受け継ぐ意義を心にとめたい」と話している。

 2代目の長刀は9月29日~11月25日に京博で催す「京のかたな展」で初公開される。

【 2018年07月03日 09時40分 】

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