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秋の茂山狂言会、ベテラン競演 「比丘貞」22年ぶり上演

「まだまだ若いもんには負けません」と、茂山狂言会に向けて意慾をみせる茂山千作(右)と、弟の七五三=京都市上京区
「まだまだ若いもんには負けません」と、茂山狂言会に向けて意慾をみせる茂山千作(右)と、弟の七五三=京都市上京区

 京の狂言師・茂山千五郎家の面々が勢ぞろいし、春と秋に催す一門最大の公演「茂山狂言会 秋」が16日、京都市上京区の金剛能楽堂で開かれる。今回は、千作=写真右、七五三(しめ)=同左=兄弟らベテランが3演目のシテ(主役)で競演。特に73歳の千作が初めてシテに挑む「比丘貞(びくさだ)」は、若い役者では演じられない<三老曲>の一つ。茂山家では先代千作が1996年に演じて以来22年ぶりの珍しい上演となる。

 「まだまだ若いもんには負けません」-。今年の茂山狂言会は、春の公演で30~40代の花形世代がシテを競演したのに対して、敬老の日(17日)前日となる秋は、シルバー世代が奮闘する。「若い時のように走り回れないが、やり方を考えて見せたい」と千作ら。

 「比丘貞」は、「枕物狂(まくらものぐるい)」「庵梅(いおりのうめ)」と並ぶ三老曲で、還暦を過ぎて手掛ける習わし。長寿の尼僧・比丘尼(千作)が、近所の者(茂山茂)から息子(茂山鳳仁(たかまさ))の名付けを頼まれ、「比丘貞」と付け、酒宴で舞を披露する。笑いは少ないが、「尼の品を大切に、じゃらじゃらとせずに静かに演じたい」(千作)と話す。

 先々代や先代千作も1~2回しか演じていない珍しい曲。「祖父や父の動きや、代々伝わる書物の型付け通りに演じたい」とする。

 一方、71歳の七五三がシテの「濯(すす)ぎ川」は、戦後の1952年に初演された人気の新作狂言。気の弱い夫(七五三)が、口うるさい妻(茂山童司)や姑(しゅうと)(茂山千三郎)に酷使されて…。「私が小学生のころ、父(先代千作)のシテが面白く、後見で笑ってしまった覚えがある。言葉尻に反骨精神もあり、まねのできない芸。自分は従順な入り婿を、緩急を付けてやりたい」

 このほか「老武者(ろうむしゃ)」は、66歳の茂山あきらが初めてシテを務める。三位(さんみ)(茂山逸平)が稚児(茂山慶和)を連れ宿に泊まると、若者(茂山宗彦ら)が大勢訪れ、酒宴となる。そこへ宿老(あきら)もやってくるが、追い返され、今度は老人仲間(千三郎ら)を呼び集め、押し寄せる。老人側と若者側の立ち回りが見もの。

 16日午後2時開演。一般4千~6千円。学生2千円。小学生千円。茂山狂言会075(221)8371へ。

【 2018年09月13日 11時40分 】

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