出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

陶の詩人・故藤平伸さんのアトリエ改装 京都に記念館誕生

記念館には、おおらかに表現された陶作品のほか、自作の人形、不思議な収集品などが並ぶ(京都市東山区下馬町)
記念館には、おおらかに表現された陶作品のほか、自作の人形、不思議な収集品などが並ぶ(京都市東山区下馬町)

 自由な作風で「陶の詩人」と親しまれた陶芸家藤平伸さん(1922~2012年)の住居兼アトリエを改装した「藤平伸記念館」が2日、京都市東山区下馬町にオープンする。大正期の古材を生かした天井の高い建物で、没後見つかった陶芸作品をはじめ、人形、ガラス絵など幅広い仕事を展示。アンティーク家具や古い道具に囲まれた空間は、作品同様に詩情豊かな世界が広がる。

 藤平さんは、五条坂で1916年に創業した藤平陶器所(現・藤平陶芸)の次男として生まれた。父と親交の深い近所の陶芸家河井寛次郎が名付け親だった。日展を中心に発表し、ユーモアと叙情に満ちた作品は今も人気が高い。

 アトリエは70年、東山三条の油問屋の蔵2棟を解体し、気に入った梁(はり)や柱を運んで建てたという。藤平さんの死後、陶芸家の長女三穂さん(53)がアトリエや倉庫に残っていた未発表作や一度展示したきりの作品などを整理し、記念館の開設を実現させた。

 歌う鳥、脚の長い馬、帽子をかぶった人物を描き入れた陶板や器、幾何学的な造形のオブジェなど60~80年代の作品が棚に並び、創作アイデアを記したスケッチなどがケースに陳列される。三穂さんは「いろんな作品があるので、展示を替えながら紹介したい」という。

 収集した土俗的な仮面や仕事道具が柱に掛けられていたり、用途不明な舶来のガラス器具が置いてあったり、陶の人形が椅子に腰掛けていたり、至る所に作家の遊び心が息づく。三穂さんは「父は固定観念のない人でした。何をやってもいいんだという、自由な発想を楽しんでほしい」と語る。

 春と秋、各1カ月間程度開館する。秋期は11月11日まで。月曜休館(祝日の場合は翌日)。要申し込み。大人500円、大・高・中学生300円、小学生以下無料。同館075(551)0712。

【 2018年10月01日 17時00分 】

ニュース写真

  • 記念館には、おおらかに表現された陶作品のほか、自作の人形、不思議な収集品などが並ぶ(京都市東山区下馬町)
  • 在りし日の藤平伸さん
京都新聞デジタル版のご案内

    観光・社寺のニュース