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格安施設「宿泊税、死活問題だ」 京都・小規模施設に負担感

旅館に掲示された宿泊税導入を知らせるポスター(1日午前9時45分、京都市中京区柳馬場通六角下ル・綿善旅館)
旅館に掲示された宿泊税導入を知らせるポスター(1日午前9時45分、京都市中京区柳馬場通六角下ル・綿善旅館)

 京都市内の宿泊施設の利用者に課税する「宿泊税」が1日、スタートした。市が宿泊料金に応じて1人当たり200円~千円を徴収し、観光客の受け入れ体制整備や混雑対策に充てる。一方、この日にチェックインした利用者からは「(導入を)知らなかった」と戸惑う声も聞かれた。

 京都市が導入した宿泊税は、全国で初めて民泊を含む全ての宿泊施設の利用者を課税対象としたことが特徴だ。宿泊料金が安い小規模施設ほど負担感が大きくなるため、施設側には不満がくすぶる。営業実態がつかめず、利用客からの徴収が困難な「ヤミ民泊」も数百件に上るとみられ、税の取りこぼしも懸念される。

 「たかが200円だが、うちのような宿泊料金が(オフシーズンの最低料金が)3千円の施設にとっては死活問題だ」。中京区でゲストハウスを営む男性(44)はため息をつく。課税額は宿泊料金に応じて定められており、宿泊料金が1人当たり2万円未満はすべて200円となるためだ。

 また、予約サイトによって宿泊税の記載状況はまちまちで、宿泊税が始まった1日にチェックインした利用者の中にも宿泊税が導入されたことを知らない人がいた。「仮に払ってくれない場合は僕らが負担しないといけない。大きな痛手だ」。男性は頭を抱える。

 市は宿泊施設に税額などを記した納入申告書の提出を求めている。市条例で帳簿を7年間保存するよう義務付けているものの、宿泊を証明する書類は不要で、「申告書の内容を信じるしかない」(税制課)。

 さらに、ヤミ民泊の利用者からは納税が期待できない。市は「市民からの通報も含め、あらゆる情報を得ながら適切に徴収する」と意気込むが、ヤミ民泊を発見して指導し、税の徴収にこぎ着けるまでのハードルは高い。

 税の取りこぼしは制度そのものへの信頼を失わせ、さらなる税収減を招きかねない。市は、違法民泊の排除と適正な徴収に一層力を入れる必要がある。

【 2018年10月02日 11時54分 】

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