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平安期の刀装具つくる道具出土 魚ノ棚は高級品職人町?

刀装具をつくる道具や鏡などの出土品
刀装具をつくる道具や鏡などの出土品

 京都市下京区油小路通下魚ノ棚下ルの発掘調査で、平安時代末期から鎌倉時代ごろの刀装具をつくるための道具などが見つかった。調査した民間会社は、平安京南部で中世にかけて形成された「七条町」などの職人町が広がりをもって栄えていた痕跡と捉え、高級品も手掛けた京都ならではの商工業地のにぎわいを示す遺構や遺物とみている。

 調査地は平安京左京八条二坊九町に当たる、宿泊施設の建設予定地。京都平安文化財(伏見区)が9月末まで、敷地内の約280平方メートルを調べた。

 調査会社によると、刀装具に関わる道具として、飾り金具をつくる鋳型や坩堝(るつぼ)など約50点が出土した。平安末期から鎌倉期に流行し、貴族や有力武士が帯びたとされる「兵庫鎖太刀」に取り付けられ、刀を帯からぶら下げるための金具「足金物」などを鋳造していた名残とみられる。

 また、平安時代の「八稜鏡」も出土しており、材料の銅を鋳物で再利用するために貯蔵していた可能性があるという。

 調査地に近い現在の西本願寺一帯では、平安京の造営直後から官営市場「東市」が整えられていたが、平安末期までにさびれた。代わりに七条通と新町通が交差する辺りを中心に、商工業者や店舗が集まる七条町がつくられ、京の消費生活を支えたとされる。中世の貴族がにぎわいを日記に書き残し、周辺の発掘調査でも鋳物生産の道具が相次いで出土している。

 京都平安文化財は「当時の刀は生活用品と違って使う人が限られるが、高級品を生産していたのがこの界わいだった可能性がある。発掘調査では、平安期から現代に至る各年代の遺物が出土している。変遷はあるが、平安時代以降、都市としての営みが切れ目なく続いている地域であることも分かった」としている。

【 2018年10月24日 08時42分 】

ニュース写真

  • 刀装具をつくる道具や鏡などの出土品
  • 中世に職人町だった痕跡を示す出土品が見つかった発掘調査現場(京都市下京区油小路通下魚ノ棚下ル)
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