出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

平安京の玄関口 西寺の講堂発掘 火災で再建されず

西寺に隣接した西大宮大路の遺構。道路面(写真右側)と犬走(写真左側)は石を敷き詰めて整えている(京都市南区)
西寺に隣接した西大宮大路の遺構。道路面(写真右側)と犬走(写真左側)は石を敷き詰めて整えている(京都市南区)

 平安京遷都に伴い、都の玄関口に建てられた「西寺(さいじ)」跡(京都市南区)について、中心建物の講堂跡で市文化財保護課が行った初の発掘調査で、建物の基壇や階段の痕跡が見つかった。講堂の位置は従来説と異なり、1キロ東の東寺講堂(同区)と一直線上に並んでいたことが分かった。同課は「西寺と東寺が同一の伽藍配置であると考古的に裏付けられ、平安京が精密な測量技術の基に造営されたことがうかがえる」としている。

 西寺講堂跡は現唐橋西寺公園内にあり、講堂跡の小さな丘「コンド山」を調査したところ、基壇(幅1メートル、奥行き30センチ)が出土した。基壇の南端はこれまでの推定位置から約4メートル北側であることが判明、西寺講堂が朱雀大路を挟んで東寺講堂と真横に並ぶ配置になっていたことが確認された。基壇の南側には階段(幅1メートル、奥行き1・2メートル)、石を敷いた参道(幅4メートル以上、奥行き3・3メートル)も連なって発見され、階段からは「延石(のべいし)」を抜き取った跡とみられる穴(幅1メートル、奥行き30センチ、深さ20センチ)が見つかった。

 一帯では、厚さ5センチの赤色の焼土層があり、出土した土器から990年の西寺焼亡の跡とみられる。階段の穴にも焼土が大量に含まれており、同課は「火災直後に延石を抜き取って埋め、その後は講堂が再建されなかったのではないか」と分析している。

 一方、講堂跡から南西約150メートルの発掘では、西寺を囲う西築地に沿う内溝や、築地西側に西大宮大路の側溝とみられる跡が出土。路面に加え、側溝沿いの犬走(いぬばしり)まで小石を詰めて整えていた。寺域の西限が分かり、当初の東寺と同じ東西250メートル、南北510メートルだった可能性が高まった。

 市文化財保護課が10月から西寺の範囲などを確認するため、約230平方メートルを調べていた。現地説明会を27日午前10時~正午に開く。小雨決行。

【 2018年10月26日 20時00分 】

ニュース写真

  • 西寺に隣接した西大宮大路の遺構。道路面(写真右側)と犬走(写真左側)は石を敷き詰めて整えている(京都市南区)
京都新聞デジタル版のご案内

    観光・社寺のニュース