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漁獲過去最低「由良川のアユ」危機 豪雨や台風、カワウ被害で

6~9月に由良川流域で解禁されるアユ漁(福知山市・由良川)=由良川漁業協同組合提供
6~9月に由良川流域で解禁されるアユ漁(福知山市・由良川)=由良川漁業協同組合提供

 京都府中丹地域の名産「由良川のアユ」が、昨年に続き今年も記録的な不漁に終わった。夏に相次いだ水害の影響で竿(さお)釣りは平年の10分の1と過去62年で最低。貴重な天然アユとして、近年は地元自治体のふるさと納税の返礼品としても人気が高まっていたが、2年続けての不漁に漁業関係者は頭を抱えている。

 綾部市から福知山市にかけて由良川本流と支流にアユの好釣り場を持つ由良川漁業協同組合では、平年、竿漁で約1万匹、網漁では千キロ以上が取れるが、今年は竿漁で769匹、網漁で322・7キロにとどまった。不振だった昨年(竿漁2986匹、網漁632キロ)をも下回り、1956年の統計開始以来、最低に。秋に取れる落ちアユも今年は姿が見えないという。

 同漁協によると、最盛期の7月に西日本豪雨があり、8月以降も台風が相次いで襲来するなど、夏場に続いた大雨が主な原因という。増水で漁期の半分は川に入ることができなかった上、近年の河川改修やカワウ被害、海水の高温化で天然アユの遡上(そじょう)自体が減少。大雨でアユの餌となるコケも流され、生育環境が整わなかったとみている。

 同漁協では、天然遡上の海産アユに加え、解禁前に約3600キロの稚アユを放流している。6~9月の漁期は組合員が釣ったアユを買い取り、飲食店や個人客に販売。近年は京阪神や首都圏から注文が増加しており、漁獲量を増やそうと昨夏、一般の釣り客からの買い取り制度も始めたところだった。

 また、同漁協が加工するアユの甘露煮や一夜干、かす漬けは、綾部市と福知山市のふるさと納税の返礼品に指定されるなど人気の商品だが、今春に在庫が底を突き、来年の販売も見送らざるを得ない状況という。

 由良川のアユは、福知山城代の明智秀満が茶人・津田宗及一行に振る舞った逸話が残るなど古来、人々に愛されてきた。由良川漁協の井上正吏参事(52)は「由良川アユは守るべき地域の特産品で、近年は特に求める人が増えていた。組合でもカワウ対策や落ちアユの保護など手を尽くし、来年の漁獲量が増えることを期待したい」と話す。

【 2018年11月22日 15時50分 】

ニュース写真

  • 6~9月に由良川流域で解禁されるアユ漁(福知山市・由良川)=由良川漁業協同組合提供
  • 由良川漁協が漁解禁前に、流域で毎年行っている稚アユの放流(福知山市宮・土師川)
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