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凡語:震災で生まれた交流

 <児童・生徒、ヘリコプターで京都へ>。神戸市文書館分室の杉本和夫さんが阪神大震災の文書を整理中に見つけた。疎開ではなく<一時留学>となっていて、受け入れ先の「この心遣いがうれしくてね」と話す▼長田区の小学校跡「ふたば学舎」で開催中の震災企画展(今月25日まで)を昨年に続き訪ねた。杉本さんは一時留学の写真や記録を集め、パネル展示の一つに加えている▼親元を離れた児童・生徒は計66人。京都市の「花背山の家」などで2カ月間暮らし、臨時の学校として勉強し豆まきを楽しんだ。地域の人たちが身の回りの世話をし、先生が低学年の子の添い寝をしたとの記録も紹介している▼企画展は震災で生まれた交流がテーマ。長野県飯田市や岩手県大槌町、鳥取県江府町と神戸の地域との縁を取り上げている。震災支援をきっかけに互いの住民が毎年の祭りに参加するようになり、それが災害時の相互応援協定につながった地域もある▼神戸・東遊園地での「1・17のつどい」では、江府町から届く奥大山の雪で雪地蔵を作っている。「人と人の交流があって、顔の見える支援になるんじゃないですか」と杉本さんは話す▼震災から24年。京都に一時留学した子どもたちはどうしているだろう。杉本さんは探し出せなかったのを残念がる。

【 2019年01月12日 14時59分 】

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