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海北友雪のふすま絵など公開 京都市内15カ所で「冬の旅」

海北友雪が手掛けた「雲龍図」のうち、雌龍の水墨画の前で説明を聞く人たち(京都市右京区・麟祥院)
海北友雪が手掛けた「雲龍図」のうち、雌龍の水墨画の前で説明を聞く人たち(京都市右京区・麟祥院)

 観光客の少ない冬、通常非公開の寺院で文化財を鑑賞できる「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」が、京都市内15カ所で開かれている。今年は「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」をテーマに、著名な絵師によるふすま絵や屏風(びょうぶ)を所蔵する寺が多く参加する。

 徳川家光が乳母・春日局(かすがのつぼね)を弔うために建立した妙心寺塔頭・麟祥院(りんしょういん)(右京区)には、海北友雪(かいほうゆうせつ)による竜のふすま絵がある。雌雄一対の竜が描かれており、江戸時代初期の傑作の一つとされる。同院では、小堀遠州が手掛けたとされる春日局の像なども拝観できる。

 江戸時代、朝鮮との外交文書の翻訳を行う僧「以酊庵(いていあん)輪番」を5人輩出した相国寺塔頭の慈照院(じしょういん)(上京区)は、5人の肖像画を陳列。さらに、朝鮮通信使一行が残した書画を張り交ぜにした屏風などを見ることができる。

 また、中京区の善想寺は初めて拝観者に門戸を開いた。天台宗の宗祖、最澄自らが刻み念持仏としたとされる地蔵菩薩(ぼさつ)像は、急病の農民に替わり田植えを行い泥だらけになったとされ、「泥足地蔵」の名でも信仰を集める。

 建仁寺塔頭にある霊源院(東山区)では五山文学を担った同院の住職、常庵龍崇(じょうあんりゅうすう)の漢詩や、一時期その弟子となり今年生誕500年を迎えた戦国大名今川義元の書状などが並ぶ。

 <開催される15カ所>※数字は、地図では黒丸白字で表示

 (1)建仁寺 正伝永源院(京都市東山区大和大路通四条下ル) 狩野山楽筆の金碧障壁画「蓮鷺(れんろ)図」や「鍾馗(しょうき)図」などを展示。

 (2)建仁寺 両足院(同) 伊藤若冲の名作「雪梅雄鶏図」を展示する。栄西禅師の八百年遠忌を機に描かれた方丈障壁画は全面完成後、初公開となる。

 (3)建仁寺 霊源院(同)

今川義元の生誕500年を記念し、義元筆や織田信長筆の書状、狩野山楽「布袋像」などを公開する。

 (4)智積院(同区東大路通七条下ル) 今年生誕480年を迎える長谷川等伯が、息子久蔵の死を悼んで描いた障壁画「楓図」(国宝)などが見られる。

 (5)東福寺 光明宝殿(同区本町15丁目) 狩野派の絵師・渡辺了慶筆と伝わる「柳松遊禽図」「桜梅遊禽図」(いずれも重要文化財)を公開する。

 (6)大徳寺 本坊(北区紫野大徳寺町) 方丈(国宝)に描かれた狩野探幽の代表作「山水図」(重文)などが見られる。

 (7)相国寺 慈照院(上京区下之町通烏丸東入ル) 朝鮮通信使との交流を示す詩文「韓客詞章」などを展示する。

 (8)本法寺(同区小川通寺之内上ル) 長谷川等伯が京都で最初に手掛けた「日堯上人像」(重文)、本阿弥光悦が作庭したと伝わる「巴の庭」(名勝)などが見どころ。

 (9)善想寺(中京区六角通大宮西入ル) 平安時代の四条後院の跡地に立つ。境内の一角にある「石仏阿弥陀如来」は、法然の教えを聞いた上皇が造立した。

 (10)妙心寺 天球院(右京区花園妙心寺町) 狩野山楽・山雪の代表作の障壁画「竹虎図」「梅に遊禽(ゆうきん)図」などを展示する(一部を除き高精細複製品)。

 (11)妙心寺 麟祥院(同) 3代将軍・徳川家光が春日局の冥福を祈るため創建した寺。方丈では、海北友雪筆による水墨画「雲龍図」を公開する。

 (12)妙心寺 龍泉菴(同) 狩野探幽の手による「観音・龍虎図」や谷文晁筆「秋山出屋図(しゅうざんしゅつおくず)」などが公開される。

 (13)仁和寺 金堂・経蔵(同区御室大内) 御所の紫宸殿を移築した金堂(国宝)は、本尊・阿弥陀三尊像や四天王像などを安置する。

 (14)転法輪寺(同区龍安寺山田町) 江戸時代の「釈迦(しゃか)大涅槃(ねはん)図」(幅3・9メートル高さ5・3メートル)などが見どころ。

 (15)東寺 五重塔(南区九条町) 五重塔(国宝)の初層内部には金剛界四仏を安置する。

 ■ 公開期間 3月18日まで((1)(5)は3月1~18日、(4)は2月28日まで)。(6)は2月21日と3月1、15日、(12)は2月28日と3月1日、(9)は毎週日曜日午前10時~午後1時は拝観休止。(14)は2月24日は午後1時から公開、(13)は2月14、15日と3月3、4日は経蔵のみ公開。

 受け付け時間 午前10時~午後4時((4)は午前9時~午後4時、(15)は午前8時半~午後4時半)。

 料金 1カ所600円((4)(15)は800円)

 問い合わせ 京都市観光協会075(213)1717。

【 2019年02月10日 21時27分 】

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  • 海北友雪が手掛けた「雲龍図」のうち、雌龍の水墨画の前で説明を聞く人たち(京都市右京区・麟祥院)
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