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宮津の大工施工聖ヨハネ天主堂など 京都府文化財新たに17件

宮津カトリック教会聖ヨハネ天主堂(宮津市)=いずれも京都府教育委員会提供
宮津カトリック教会聖ヨハネ天主堂(宮津市)=いずれも京都府教育委員会提供

 京都府教育委員会は21日、府文化財保護審議会(高橋康夫会長)の答申を受け、明治時代に建築された宮津カトリック教会聖ヨハネ天主堂(宮津市)など17件を府文化財に新指定した。内訳は建造物4件、美術工芸品10件、無形文化財1件、史跡2件で、府文化財は計1995件になる。将来候補を対象に昨年度創設した府暫定登録文化財からは6件が初めて府文化財になった。

 聖ヨハネ天主堂は1896年に建てられ、全国でも初期のカトリック教会堂とされる。神父が設計、宮津の日本人大工が施工し、堂内の意匠は完成度が高く、西洋の技術が民間に受容される好例となる。

 ■その他の新指定文化財

 【建造物】

 来迎院荒神堂(京都市東山区)1601年に前田利家の息女が再建。府内には珍しい隅木入(すみぎいり)春日造の技法が採用された初期の例として学術的に価値が高い。

 東山寺本堂など3棟(舞鶴市)本堂は1853年に再建。大名家の参詣に配慮した造りで、格式の高さと江戸末期の特色をよく示す。

 深田部神社本殿(京丹後市)延喜式内社に比定され、本殿は棟札から1829年の建立と判明。当域で江戸時代後期以降に社殿の装飾化が進む特色を顕著に示す。

 【美術工芸品】

 紙本著色高祖大師秘密縁起(伏見区・安楽寿院)鎌倉時代に成立した弘法大師の絵巻を基に、室町時代に制作した経緯も分かり、弘法大師信仰を考える上で価値が高い。

 紙本著色壬生地蔵縁起(中京区・壬生寺)平安時代の仏師定朝が本尊を造る場面に始まる絵巻で、室町時代に制作された優品。

 紙本著色日蓮聖人註画讃(山科区・本圀寺)日蓮の生涯を描いた絵巻で最も古く、室町時代の絵師・窪田統泰の作風を伝える。

 木造千手観音立像など5体(木津川市・旧燈明寺収蔵庫)南山城にかつてあった古刹の歴史を伝える群像。いずれも13世紀後半から14世紀にさかのぼる。

 木造阿弥陀如来及両脇侍像3体(宮津市・大谷寺)阿弥陀如来は戦国期の丹後国守護の一色氏、東寺講堂大日如来像作の康珍らの名を像内に刻む。両脇侍は丹後を代表する平安後期の優美な像。

 木造不動明王坐像(同)一色氏や僧智海により1467年に造像された室町時代の作で、丹後の歴史上重要。

 光明寺本堂再興勧進状(綾部市・光明寺)戦乱で国宝・二王門以外の堂舎が焼失し、1553年に再建された際に作成された。

 ヌクモ2号墳出土品(福知山市)古墳時代中期の方墳で見つかった中国・三国時代の龍虎鏡1面など。3世紀に作成、5世紀前半に埋納される経過を考える上でも重要。

 離湖古墳出土品(京丹後市)古墳時代中期の大型方墳の出土品。中期前半に埋葬された第2主体部の副葬品は腕飾類を中心に武器類がある。

 舟形石棺(与謝野町)古墳時代前期の大型前方後円墳、蛭子山1号墳で出土。当時の石工技術を知る上でも重要。

 【無形文化財】

 絞り染・小倉淳史氏(72)=中京区。1946年、染織作家小倉建亮の息子に生まれ、技術を習得。独創性あふれる作品が評価され、重要文化財の復元も手がける。

 【史跡】

 下司古墳群・大御堂裏山古墳(京田辺市)同志社大田辺キャンパス内の古墳時代終末期の群集墳と単独墳。新たに台頭した集団が造り、社会情勢や交流を知る上でも重要。

 園部藩主小出家墓所(南丹市)初代小出吉親から9代英教までの墓が存在する。堀や石垣が用いられ、城郭の構造に倣った墓所は類例がない。

【 2019年02月22日 08時48分 】

ニュース写真

  • 宮津カトリック教会聖ヨハネ天主堂(宮津市)=いずれも京都府教育委員会提供
  • 紙本著色高祖大師秘密縁起(京都市伏見区・安楽寿院所有)
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