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4尼僧像100年ぶり美顔 京都・真如寺5年かけ修復、5月公開

修復が終わり、法堂に並ぶ3体の尼僧像。4月に仙寿院宮も戻る(京都市北区・真如寺)
修復が終わり、法堂に並ぶ3体の尼僧像。4月に仙寿院宮も戻る(京都市北区・真如寺)

 真如寺(京都市北区等持院北町)にある17~18世紀に作られた尼僧像4体の修復が、約100年ぶりに行われている。複数の尼僧像がそろってまつられている例は全国でも珍しいというが、顔の表面がはがれるなど劣化が著しかった。国際日本文化研究センター(西京区)のパトリシア・フィスター教授(日本美術史)の尽力で始まった5年に及ぶ作業が間もなく終わり、5月に特別公開される。

 4体は、真如寺が尼門跡寺院である宝鏡寺(上京区)の菩提(ぼだい)所だったため作られたとされる。うち3体は天皇の娘である内親王の像で、1体は公家の娘という。

 江戸時代の1656(明暦2)年に後水尾天皇が、早世した娘で宝鏡寺の住職を務めた仙寿院(せんじゅいん)宮の像を法堂に安置したのが最初という。以降、宝鏡寺の歴代住職のうち月鏡軒(げっきょうけん)尼、高徳院(こうとくいん)宮、本覚院(ほんがくいん)宮の像も作られて法堂に納められた。仙寿院宮と高徳院宮は等身大に近い大きさで、ほかの2体は一回り小さい。いずれも寄せ木造りで、並んで配置されている。

 修復は顔料などから明治期に行われたのが最後とみられるという。フィスター教授が研究調査で訪れた際、木像にはひびが入り、彩色もはがれていたため、その文化財的価値を各方面に訴えた結果、修復の助成金獲得につながった。

 修復は「美術院国宝修理所」(下京区)が手掛けた。2014年に最も傷んでいた本覚院宮像の修復から始め、最後の仙寿院宮像の修復が間もなく終わる。フィスター教授は「京都の素晴らしい技術で新たな命が吹き込まれた」と喜ぶ。

 修復完了を記念した法要を4月23日に行う。普段は非公開の4体は、5月5日から12日までの8日間行う特別拝観で公開される。真如寺の江上正道住職(46)は「あまり知られていない皇女尼僧の歴史に目を向ける機会にしたい」と話す。

【 2019年03月10日 16時10分 】

ニュース写真

  • 修復が終わり、法堂に並ぶ3体の尼僧像。4月に仙寿院宮も戻る(京都市北区・真如寺)
  • 修復前の本覚院宮像。顔にひびが入り、塗料もはがれて劣化が著しかった(フィスター教授提供)
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