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天皇家ゆかり神輿「令和」幕開けに巡行復活 明治維新で断絶

霊元上皇と東山天皇から寄進されたものの、長年巡行していない大宮神輿(2018年5月、京都市中京区・下御霊神社)=同神社提供
霊元上皇と東山天皇から寄進されたものの、長年巡行していない大宮神輿(2018年5月、京都市中京区・下御霊神社)=同神社提供

 新天皇が即位し、新元号「令和」初日となる5月1日、御霊神社(上御霊神社、京都市上京区)と下御霊神社(中京区)の祭礼の神輿(みこし)が、京都御苑内を巡行することになった。両神社は、天皇や上皇から神輿を賜るなど宮中とのゆかりが深く、御苑内の巡行もかつて行っていたが、明治維新で廃絶した。両神社の伝統復活が、新時代の幕開けを彩る。

 両神社とも毎年5月に春の祭礼を催行しており、御霊神社の御霊祭(上御霊祭)は1日の神幸祭から18日の還幸祭まで行われる。また下御霊神社の下御霊祭も1日の神幸祭から始まり、今年は19日の還幸祭まで続く。

 両神社にとって1年で最も重要な行事で、祭神が渡御する神幸祭ではかつて神輿行列が氏子地域を練り歩き、現在の京都御苑へと進む神輿を天皇らも間近で見たとされる。だが天皇が東京に移ると伝統は途絶えた。下御霊神社は戦前までに、御霊神社は1965年を最後に神幸祭での巡行自体を中止。現在では1日は両神社とも境内で神事のみを行っている。

 一方、2009年に御霊神社の還幸祭で御苑内の神輿巡行が復活するなど近年になって往時のにぎわいを取り戻す試みも見られるようになった。今年は新天皇即位と神幸祭が重なったうえ、御霊神社に3基ある神輿の一つ「北之御座」が後水尾天皇の寄進から400年を迎え、下御霊神社の2基の一つ「大宮神輿」も霊元上皇と東山天皇父子の寄進から310年を迎える。節目に当たり、両神社が氏子や御苑を管理する環境省などと協議して、今年の神幸祭での神輿巡行が決まった。

 当日は、御霊神社の3基が午後2時に今出川御門から御苑内に入り、約1時間かけて御所の朔平(さくへい)門前まで進み、祝詞を奏上する。さらに下御霊神社の2基は午後2時40分に寺町御門から御苑内に入り、かつて霊元上皇らが住んだ仙洞(せんとう)御所前で拝礼する。

 御霊神社の小栗栖元徳宮司(75)は「令和の時代の到来をお祝いできれば」と話し、下御霊神社の出雲路敬栄宮司(49)は「約200年ぶりに上皇さまが誕生する日に、霊元上皇ゆかりの仙洞御所前まで進むのは不思議な運命を感じる」と当日を待ち望む。

【 2019年04月15日 10時09分 】

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