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ガラシャに大病克服の人生観重ね 京丹後の翻訳家、戯曲出版

三浦さんの著書を基に書き上げた戯曲「ガラシャの祈り」と横島さん(京丹後市弥栄町和田野)
三浦さんの著書を基に書き上げた戯曲「ガラシャの祈り」と横島さん(京丹後市弥栄町和田野)

 戦国の乱世を生きた細川ガラシャの生涯をテーマにした戯曲「ガラシャの祈り」を、京都府京丹後市弥栄町の翻訳家の男性が出版した。作家三浦綾子さんの著書を基に、大病を患い聖書に影響を受けて乗り越えた自らの人生観をガラシャの生きざまに重ね合わせたという。

 横島昇さん(66)=同町和田野。京都外国語大で学び英文の翻訳などを手掛ける。

 横島さんは幼い頃から、ガラシャ(玉)が父明智光秀の謀反により幽閉されたとされる同町の味土野地区に関心を抱いてきた。自らの手でいつか創作したいと、地区を巡り歴史資料と向き合ったが、ガラシャの生き方に対するイメージが固まらなかったという。

 転機は28歳。脊髄腫瘍を患い、「就職や結婚など自分が目指していたものを全て失った」と言う横島さん。聖書の言葉が身に染みた。「苦悩には意味がある。不幸に落ち、上昇する時にこそ人は成長し高貴になれる」と幽閉後に洗礼を受けたガラシャの苦悩が見えてきたという。さらに演出家蜷川幸雄氏のマクベスに出演する女優栗原小巻さんの振る舞いに、ガラシャのイメージをつかんだという。

 作品は、三浦さんの作品に独自の解釈をちりばめ、宮津での幸せな生活や隠棲(いんせい)地の味土野の暮らし、大坂での死を戯曲で描いた。横島さんは「どん底に落ちてもそこには意味がある。乗り越える時に人は高貴になれるということを感じてほしい」と話している。

 B6判で172ページ。未知谷刊。2160円。

【 2019年05月15日 15時16分 】

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