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魅力を再発見、古里の民俗行事コミックに 滋賀のイラスト作家

伝統の花飾り「ホイノボリ」が並ぶ南山王祭の取材に訪れた松鳥さん(4月4日撮影、滋賀県日野町・日枝神社)
伝統の花飾り「ホイノボリ」が並ぶ南山王祭の取材に訪れた松鳥さん(4月4日撮影、滋賀県日野町・日枝神社)

 滋賀県湖南市出身のイラストレーターでエッセイストの松鳥むうさん(41)が県内で行われる祭礼や神事の民俗行事を巡り、コミックエッセーの出版を目指している。国内の離島を旅しながら執筆活動を続けてきたが、3年前に訪れた祭りで古里の魅力を再発見した。里帰りを繰り返し、各地を取材している。

 松鳥さんは、21歳で看護師に就くまで同市石部町で過ごし、現在は神奈川県で暮らす。20歳の時に訪れた鹿児島県の屋久島で離島や素泊まり宿の旅に魅了された。20代後半で看護師をやめ、これまでに渡った島は100カ所近く。同県のトカラ列島や東京の小笠原諸島などをほのぼのと描いた著書もある。

 30代に入り、郷土への思いが芽生えたといい、昨年には祖母との思い出を振り返ったコミックエッセー「おばあちゃんとわたし」(方丈社)を刊行した。

 新たな作品のテーマは湖国。きっかけは、2016年5月に偶然訪ねた栗東市の菌(くさびら)神社の例大祭だ。じゃこのなれずしや酒が振る舞われ、離島巡りに通じる温かなつながりを感じた。祭りの供え物やまかないで用意される食べ物にも興味を覚え、県内の民俗行事を巡り始めた。

 就職先の関東では度々、「滋賀は関西なの?」と聞かれて知名度の低さを実感したが、「灯台もと暗し。通うと面白い」と話す。今年2月、湖北地域に残る冬の行事「オコナイ」を米原市で取材した際には、地元住民から食事に招かれた上、民家に宿泊もさせてもらい、「島みたいなことが起きた」と驚く。

 日野町の「南山王祭」や野洲市の「八ケ崎神事」など、3年間で55の行事を取材してきた。行事の準備から片付けまで一連の流れを追うことを心掛ける。「滋賀には良いものがいっぱい残っている。小さい行事もできるだけ多く記録として追い、将来廃れたとしても再現の参考にしてもらえるようまとめたい」と意気込む。

【 2019年05月23日 17時00分 】

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