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350年ぶり日の目、洛陽三十三所の巡礼札 京都・清水寺で発見

天皇勅願で再興された年とされる寛文5年が記された洛陽三十三所の巡礼札(清水寺蔵)
天皇勅願で再興された年とされる寛文5年が記された洛陽三十三所の巡礼札(清水寺蔵)

 京都の観音霊場を訪ね歩く「洛陽三十三所」で江戸時代の巡礼札4枚が、札所寺院の清水寺(京都市東山区)で初めて見つかった。江戸時代前期に天皇の勅願で再興したとされ、最古の1枚に書かれた年がそのいわれを裏付ける。29日に開幕する京都文化博物館(中京区)の展覧会で展示され、約350年ぶりに日の目を見る。

 洛陽三十三所は平安時代末期ごろにはあった西国三十三所を参考にして札所を京都の寺院に限り、室町時代には巡礼が行われていたとされる。応仁・文明の乱(1467~77年)で途絶えたが、寛文5(1665)年、霊元天皇の勅願で三十三所が定められて再興したとされる。

 最古の巡礼札は紙製で将棋の駒のような形。縦31センチ、横16センチの大きさで、聖観音を示す梵字(ぼんじ)や「寛文五歳巳七月吉日」という年月、「丹波国桑田郡亀山庄住人」(現亀岡市)などの住所、奉納した11人の名前が墨書されている。

 巡礼札は西国・洛陽の両三十三所など西国巡礼でみられる習俗。札所境内の天井や柱に打ち付けて奉納されたが、一定期間後に取り外されるため残るのは珍しいという。最古の1枚は現在修理中の本堂外陣の壁と絵馬の隙間で見つかった。

 清水寺は「あえて札打ちせず、絵馬と壁のわずかな隙間に投げ込んだのだろう。巡礼者が成就を願い、札を聖域に少しでも長くとどめようとした姿が思い浮かぶ」とする。本堂で見つかったことを受け、同寺は先に修理を終えた奥の院でも同様に残存していた札の中から「延宝五(1677)年」などと記された洛陽三十三所の巡礼札3枚を確認した。

 展覧会は「洛陽三十三所展」(京都府、京都文化博物館主催)。明治維新後に廃れた洛陽三十三所の平成再興(2005年)の10周年事業として15年から始まり、4回目となる今回が最後になる。8月25日まで。入場料は一般500円。

【 2019年06月24日 08時50分 】

ニュース写真

  • 天皇勅願で再興された年とされる寛文5年が記された洛陽三十三所の巡礼札(清水寺蔵)
  • 奥の院で見つかった洛陽三十三所の巡礼札(同寺蔵)
  • 清水寺の本堂(2017年、京都市東山区)
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