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茅の輪持ち帰らないで、と京都の神社 「厄持ち帰ることに」

カヤが抜かれ、下半分の青竹がむき出しになった大茅の輪(京都市上京区・北野天満宮)
カヤが抜かれ、下半分の青竹がむき出しになった大茅の輪(京都市上京区・北野天満宮)

 「茅の輪の持ち帰りはけがれを持ち帰ること」。6月下旬に京都をはじめ各地の神社で行われる「茅の輪くぐり」のカヤを持ち帰らないよう、京都市内の神社がツイッターなどで呼び掛けている。背景には、カヤを持ち帰る民間信仰の存在や、茅の輪くぐりの信仰の意味が知られていない現状が垣間見える。

 茅の輪はイネ科のカヤを素材として円状に編まれている。6月30日や前後の日に全国の神社で行われる神事「夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)」に欠かせない。茅の輪をくぐることで半年間の罪や災厄がはらわれ、清らかな身になるとされる。

 上京区の北野天満宮は毎年6月25日に営む祭神菅原道真の誕生日の祭典に合わせて、直径約5メートルの「大茅の輪」を設置している。同天満宮は設置を前に「茅の輪のお持ち帰りはけがれを持ち帰ることになります」とツイッターに書き込んだ。

 1970年代から同天満宮はカヤを持ち帰る参拝者に悩まされている。89年6月26日付の京都新聞にはすでに「十数年前から茅の輪のカヤを自宅の門口に飾る風習が広まっており、この日もお参りの人たちはカヤを次々と抜き取った」との記事が載っている。

 同天満宮によると祭神が「学問の神様」として知られる道真であることから「茅の輪」を「知の輪」と解釈し自宅に飾る民間信仰があるという。今年の6月25日には、午前5時に開門し、正午ごろまでにカヤはほとんどなくなった。

 近年は、神職の目の届きやすい本殿近くにも茅の輪を設置しているほか、自宅に持ち帰ってもらえる直径7~8センチの小型茅の輪(350円)の授与も行っている。

 一方、下御霊神社(中京区)は6月23日、拝殿前に直径約3メートルの「茅の輪」を設置したという告知をツイッターに記載。「茅(かや)は抜いて持ち帰らないでください。茅を抜いて持ち帰ることは、他人のけがれを持って帰ることになります」と記した。さらに、境内にくぐり方を紹介するとともに「抜かないで」と書いた看板を置いた。

 北野天満宮での事例を知ったことから今年初めてツイッターで記載した。ツイートは大きな注目を集め25日までに230回以上リツイート(転載)されている。

 下御霊神社の出雲路敬栄宮司(49)は「大祓は神社に多くある、おめでたい神事とは異なる。けがれをはらうという本来の意味を分かってもらえれば」と話す。

【 2019年06月25日 13時41分 】

ニュース写真

  • カヤが抜かれ、下半分の青竹がむき出しになった大茅の輪(京都市上京区・北野天満宮)
  • 「カヤを抜かないで」と書いた看板が置かれた下御霊神社。ツイッターでも同様の告知を行っている(京都市中京区)
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