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祇園囃子に合わせ稚児が舞を披露 祇園祭の神事始め「吉符入り」

会所2階から身を乗り出して「太平の舞」を披露する稚児の中西君(中央)と禿の杉本君(右)、竹内君=5日午後3時28分、京都市下京区・長刀鉾町会所
会所2階から身を乗り出して「太平の舞」を披露する稚児の中西君(中央)と禿の杉本君(右)、竹内君=5日午後3時28分、京都市下京区・長刀鉾町会所

 祇園祭・前祭(さきまつり)の長刀鉾(京都市下京区四条通烏丸東入ル)と後祭(あとまつり)の鷹(たか)山(中京区三条通室町西入ル)は5日、神事始めの「吉符入り」を行った。長刀鉾は稚児の中西望海君(10)らが巡行時に鉾の上で舞う「太平の舞」を町会所2階から披露。鷹山は巡行に木製の箱「唐櫃(からびつ)」を担いで193年ぶりに参加するため、役員ら16人が真剣な表情で無事を祈った。

 長刀鉾の町会所では午後3時、保存会の井上俊郎代表理事(62)が中西君や禿(かむろ)の杉本崇晃君(11)、竹内瑛基君(9)の名前が書かれた「吉符」を祭壇に向かって読み上げ神前に供えた。中西君はクジャクの羽を飾った「蝶(ちょう)蜻蛉(とんぼ)の冠」、鶴を描いた振り袖、若草色のはかま姿で保存会役員に舞を披露。1回で「完璧」と言われた後、禿と四条通に面した2階の窓際で囃子(はやし)方が奏でるゆったりとした祇園囃子に合わせて舞った。

 会所前に人だかりができ、前日から練習を重ねたという中西君は「人が多くて驚いたけど、うまくできてよかった。巡行の時はさらに大きな動きを見せたい」と話した。

 鷹山は保存会近くで行った。1826年の風雨で懸装品(けそうひん)が損傷し翌年から巡行に参加しなくなり、64年の禁門の変に伴う大火で鉾を焼失。住民らはご神体の人形を飾る「居祭り」を続ける一方、復帰を目指してきた。吉符入りの儀も193年ぶりとみられる。

 祭壇に大船鉾から借りた唐櫃(縦41センチ、横76センチ、奥行き46センチ)と、唐櫃に納める「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」の文字が書かれた掛け軸を飾った。午後2時半、参列者が1人ずつ神前でかしわ手を打ち、年長者から順番に杯を交わし、無言の儀式は30分ほどで終了した。

 山田純司理事長(64)は「神事としての巡行に参加することを実感した。準備をぬかりなく進めたい」と語った。

【 2019年07月05日 20時29分 】

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