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「世界に悲惨さ伝えたい」95歳被爆者、手記を84歳と英訳出版

英訳冊子「The Pale Ray Flashed over Hiroshima-私の被爆体験の記録」(右下)と手記「蒼白い閃光」を前に、上田さん(右)と「戦争は絶対あかん」と話す梅原さん=綾部市神宮寺町・梅原さん宅
英訳冊子「The Pale Ray Flashed over Hiroshima-私の被爆体験の記録」(右下)と手記「蒼白い閃光」を前に、上田さん(右)と「戦争は絶対あかん」と話す梅原さん=綾部市神宮寺町・梅原さん宅

 広島に原爆が投下されて6日で74年。被爆者の手記「蒼白い閃光(せんこう)」の英訳冊子「The Pale Ray Flashed over Hiroshima-私の被爆体験の記録」を、被爆者の梅原康さん(95)=京都府綾部市神宮寺町=と上田幸男さん(84)=綾部市寺町=がこのほど自費出版した。2人は「米国人を含め世界の人々に原爆の残酷さ、悲惨さを英語で伝えたい」と話している。

 「蒼白い閃光」は梅原さんが広島市での被爆体験をまとめた手記で2015年に刊行した。梅原さんと上田さんは須知高(京都府京丹波町)で校長と英語教諭の間柄だった。上田さんは手記を読んで内容のすさまじさに衝撃を受け、英訳冊子の制作を決意。今年1月から半年がかりで、全文を英訳した。

 原爆投下時、梅原さんは広島文理科大の学生で、爆心地から1・6キロで被爆したが奇跡的に生き残った。「蒼白い閃光」では<血だらけの怪我人や、火傷を負って黒く爛(ただ)れた人達が、あえぎあえぎ、次から次へと逃げ出して来る>と回想している。

 英訳で上田さんは、事実だけを記す梅原さんの原文を大切にした。<赤黒く焼け爛れた市電の残骸の窓枠に、真っ黒に焦げた「人」の死骸がぶら下がっていた><黒焦げなった(原文ママ)銀行の玄関の石畳に、うずくまった人影がくっきりと残されており>…。誇張を入れず訳した。

 被爆者は高齢化が進み、被爆体験の継承が課題になっている。梅原さんは広島平和記念資料館(広島市)に英訳冊子をすでに贈っており、「広島であの日何があったか、世界各地から資料館に訪れる人々に具体的に知らせたい」と話している。

 英訳冊子はA4判22ページ。500円。500部制作し、綾部市図書館や綾部国際交流協会に寄贈したほか、50部をブックランドたかくら(高倉書店、綾部市西町3丁目)で販売している。手記はギャラリーカフェ日々(同市西町2丁目、水・木曜定休)などで配布している。

【 2019年08月11日 19時14分 】

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  • 英訳冊子「The Pale Ray Flashed over Hiroshima-私の被爆体験の記録」(右下)と手記「蒼白い閃光」を前に、上田さん(右)と「戦争は絶対あかん」と話す梅原さん=綾部市神宮寺町・梅原さん宅
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