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変わりゆく故郷、日本に重ねた 若手画家が光の点描に託す視線

夜を照らす街灯や照明などを点描で表現した八木さんの作品
夜を照らす街灯や照明などを点描で表現した八木さんの作品

 夜の街を照らす光を点描で表現する若手画家八木佑介さん(28)=京都市下京区=が13日から、京都市下京区壬生川通花屋町下ルのBAMIギャラリーで個展「わたしたちの久御山町」を開く。生まれ育った京都府久御山町の深夜の風景を描いた9点を並べる。

 八木さんは同町栄4丁目出身。高校2年の時、家族と訪れた日展の日本画に引かれ、京都造形芸術大日本画コースに2009年入学した。大学院に進み、日本画で用いる岩絵の具で風景を点描する技法を得意とする。17年の第4回続(しょく)「京都 日本画新展」優秀賞。現在は同大学の非常勤講師を務める。

 実家を離れて生活する八木さん。ある時、半年ぶりに実家へ帰省すると、新しい道路が整備され、建物の建設が進む急激なまちの変化に驚いた。

 「自分が育った新興住宅地は少子高齢化がどんどん進んでいる。老いていくまちが、豊かな生活を求め、開発を続ける『成長神話』にこだわる姿は、今の日本社会に重なる。現在の久御山を一歩引いた目線で記録し、日常を見つめ直す作品にしたかった」

 個展では、人影のない午前2時の町並みを描き出す。田畑のそばで光を放つ自販機や、排水機場をぼやっと浮かび上がらす街灯などを無数の点で描いた。巨椋池を干拓して造られた水田から、第二京阪道路を望んだ作品は「人間が自然を支配し、風景をがらっと変えてしまう姿」を表現した。

 八木さんは「人の気配が全くない深夜は、まちの形に向き合える時間。人工的な光で浮かび上がるまちの姿を通じて、久御山や日本の社会について考えてもらいたい」と語る。

 25日まで。入場無料。正午~午後6時(最終日は午後4時)。

【 2019年09月12日 18時25分 】

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