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足利氏の栄枯ひもとく 京都で東寺百合文書展

古文書を通じて室町時代の変遷を伝える「東寺百合文書展」(京都市左京区・京都府立京都学・歴彩館)
古文書を通じて室町時代の変遷を伝える「東寺百合文書展」(京都市左京区・京都府立京都学・歴彩館)

 国宝の中世文書を通じ、室町時代の歴史的な事件をひもとく「東寺百合文書展」が、京都市左京区の京都府立京都学・歴彩館で開かれている。時の最高権力者だった足利義満の急死を受けた法会に急ぎ対応するさまを示す会議録や、応仁・文明の乱の始まりに際して足利義政が「天下静謐(せいひつ)」を祈るよう求めた命令書があり、室町幕府の全盛期から戦乱の世へと向かうのに伴う権勢と世情の移り変わりに触れられる。

 百合文書は、東寺に伝来した約2万5千通の文書群。府が1967年に購入して保存や整理、公開を進め、中世研究の基本史料になっている。

 13日からの後期展示は、計60点を並べる。冒頭にあるのが、義満死去後に営まれた法会の文書。7人の僧が100日祈る仏事に同座する僧を派遣するよう求められた東寺が、「無余日之間」と時間がないのを焦り、投票で参加者を決めたさまがうかがえる。

 「足利義政自筆御判御教書」は、応仁・文明の乱(1467~77年)の開戦1カ月後に出され、東寺に祈祷(きとう)で平和を祈るよう求めた。ただ、乱が約10年続いて戦国の世に移ると、将軍以外の実力者が顔ぶれを次々に変えながらも、京の支配に関わった。その一人だった武将・松永久秀の書状は「言語道断時節到来」と戦乱の風潮を記しつつ、東寺の五重塔が落雷で焼失したことを見舞っている。

 関連講演もあり、東京大史料編纂所の高橋敏子教授と宮崎肇特任研究員による「中世の古文書が近代によみがえる!」(当日先着400人)が20日午後2時から歴彩館で開かれる。

 入場無料。展示は11月11日まで。祝日と第2土曜日は休館。

【 2018年10月16日 11時19分 】

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