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29歳秘書が見た寂聴さんの素顔 執筆や闘病つづる

瀬戸内寂聴さんの「魅力を知ってほしい」と話す瀬尾まなほさん(京都市右京区・寂庵)
瀬戸内寂聴さんの「魅力を知ってほしい」と話す瀬尾まなほさん(京都市右京区・寂庵)

 作家・瀬戸内寂聴さん(95)の秘書、瀬尾まなほさん(29)が瀬戸内さんとの日々を書いた「おちゃめに100歳! 寂聴さん」(光文社刊)を出版した。瀬戸内さんの小説執筆への揺るぎない思いや、闘病生活などの素顔を詳細につづった。

 瀬尾さんは京都外国語大卒業後、2011年に瀬戸内さんの事務所に就職した。スタッフ4人が一度に辞めた13年以降は、瀬戸内さんの仕事の管理や、身の回りの世話を一手に引き受けてきた。

 「秘書の経験はありませんでしたが、『あそこの秘書は若いからダメだよね』と言われるなどして瀬戸内の評判を下げることだけはしたくなかった」。細かいことも全て瀬戸内さんと話し合い、瀬戸内さんや仕事関係者らとの信頼関係を築いてきた。

 瀬戸内さんは14年に腰椎の圧迫骨折と胆のうがんの手術をし、今年に入って脚と心臓にカテーテル手術を受けた。痛みに苦しんだり、手術を受けることを拒んだりする瀬戸内さんの姿や、看病が続いて追い込まれた瀬尾さん自身の思いもありのままにつづった。

 瀬戸内さんの人間味あふれる姿も印象的だ。締め切りが近づいても、週刊誌のゴシップを読んだり、のんき気ままにお菓子をボリボリ食べたり。だが執筆すると決めた途端、目の色は変わり、コーヒーをひとくちも飲まずに集中する。

 瀬戸内さんに出会うまで、瀬尾さんは自信を失いがちで「わたしなんか」が口癖だった。「私自身は特別な才能やたくさんの資格を持っているわけではない。でも『この人のためだったら何でもできる』と思える人と出会えたことで、人生が変わった。家族、友達など誰でもいい。大切な人を持つことが、生きていくうえでの大きな道しるべになると思います」

 ■瀬戸内寂聴さんの話

 年齢差は66歳ありますが、最初に会った時から「この人なら合うな。この人の良さは優しさだ」と思いました。雇い主と雇われ人の関係ではなく、友達です。会った瞬間から私を笑わせてくれるのも良さで、今までの人生で一番笑っています。

【 2017年12月09日 22時00分 】

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