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「弱い人間」に感動 十五代樂吉左衞門さんと松井優征さん対談

樂吉左衞門さん(左)と松井優征さん
樂吉左衞門さん(左)と松井優征さん

 陶芸家の十五代樂吉左衞門さんと大ヒット漫画「暗殺教室」の作者松井優征さんが語り合う「超異次元対談(京都新聞など主催)」が3月31日、京都市中京区の京都国際マンガミュージアムで開かれた。

 「殺(ころ)せんせーがどうなりたいのか問われ、『弱くなりたい』と、弱い人間になりたいと答える。感動的でした」

 樂さんは「暗殺教室」の登場人物の言葉を挙げ、長い伝統と歴史のある家に生まれ、反抗し、悩んだ青春時代を振り返った。そうした中でも「感動を縦糸と横糸にして織り上げる」作業で自分を回復し、「そうだ。茶碗をつくろう」と思い至ったと話した。

 松井さんは、才能あふれる漫画家たちに比べると自分は「才能が弱者」と笑いながら、「ヒット作が出ないとのたれ死ぬしかない」という切迫感の中で「弱きものが強きものを倒すための究極の戦略」として「暗殺」というテーマを見いだしたという。

 芸術について、松井さんが「主張をぶつけてくるから疲れる」と話すと、樂さんは「アートは疲れる。漫画は疲れない」と共感。

 一方、作品づくりについては「焼き物がいいのは偶然性が支配すること。自分の考えや計算や企てが何とか消せないかと思う」と樂さんが披露すると、松井さんは「作品づくりは計算が九分九厘。読者がページをめくった時にどうインパクトを与えるか考えている」と応じた。互いに認め合う創作者同士のスリリングな対談に聴衆は聴き入っていた。

 ■まつい・ゆうせい 1979年、埼玉県生まれ。2005年、週刊少年ジャンプにて「魔人探偵脳噛ネウロ」で連載デビュー。12年からの「暗殺教室」が大ヒットし国民的作品となる。

 ■らく・きちざえもん 1949年、京都市生まれ。樂家十四代の父覚入の死去に伴い81年、十五代吉左衞門を襲名。450年続く家職を受け継ぐ一方、新たな造形美の世界を追求する。

 ■暗殺教室 地球を破壊する能力がある超生物「殺せんせー」が進学校の私立中の落ちこぼれ組で担任教師となるという奇想天外な設定。生徒たちは日々暗殺を狙いながらも、殺せんせーから大切なことを学び、前向きな学校生活を取り戻していく物語。コミックス全21巻は大ヒットし、映画やアニメ、ゲームも人気を集めた。

【 2018年04月16日 20時16分 】

ニュース写真

  • 樂吉左衞門さん(左)と松井優征さん
  • 松井さんは対談終了後、京都国際マンガミュージアムのカフェの壁に「殺せんせー」を描いた

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