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メダカ野生?飼育?謎追う 京都で発見、DNA鑑定手掛かりに

ビオトープでメダカを探す「乙訓の自然を守る会」のメンバーたち(12日午前、長岡京市下海印寺・旧小泉川)
ビオトープでメダカを探す「乙訓の自然を守る会」のメンバーたち(12日午前、長岡京市下海印寺・旧小泉川)

 京都府長岡京市下海印寺の旧小泉川に現れたメダカの行方を、環境保護団体「乙訓の自然を守る会」が追っている。乙訓2市1町の小泉川と小畑川では、支流や水路を含めてメダカは姿を消したと考えられていたという。野生なら吉報だが、飼育中の魚や卵が流れ出た可能性もある。謎を解く手掛かりにDNA型鑑定が必要といい、目撃情報を募っている。

 昨年10月9日、長岡京市泉が丘の住宅街のすぐ北側を流れる旧小泉川で、同会管理のビオトープから、府レッドデータブックで絶滅危惧種に指定される「ミナミメダカ」2匹が見つかった。

 体長約3センチの成魚で、尻びれの形状や体色から識別。撮影して放流した。生物調査中に網に掛けた会員の八木義博さん(78)=同市高台2丁目=は「感激の瞬間」と想定外の出来事を振り返る。

 農業用水路のコンクリート化や農薬使用による環境悪化、宅地化などが原因で、メダカのすめる環境は全国的に失われた。同会によると、乙訓2市1町でメダカの生息が確認できるのは大山崎町の桂川本流付近のみ。以前、小泉川流域で細かな水路まで調べたが発見できなかった。情報があっても、見つかるのは外見がメダカに似た外来種「カダヤシ」ばかりだという。

 今回の発見が示す可能性は大きく二つ。(1)ビオトープ上流に存在する生息域から川を下り、野生していた(2)飼育中だった水槽の入れ替えなどの際、上流域の排水溝から川へ魚か卵が流れ出した-。

 メダカは生息する地方によって異なるDNA型を持つ。同会は、(1)に望みを託して魚類のDNA型鑑定ができる研究者の協力を取り付けた。仮に再捕獲できたメダカが近畿地方を含む型と判明すれば、野生か飼育か二つの可能性とも残る。

 メダカの動きが活発化するのを待ち、4月から定期的に会員たちがビオトープで捜索を始めたが、6月12日の活動でも発見できなかった。流域住民の目撃情報があれば、再捕獲のために現地へ調べに行く考えだという。

 同会代表の宮﨑俊一さん(78)=同市天神3丁目=は「迷宮入りになるかもしれない。でも、野生の望みが出てくれば、流域で生息調査を本格化させたい」と先を見据える。

 ただ、メダカが野生だったとしても、生息環境の保全は難しい課題だ。阪急西山天王山駅に近い発見場所のビオトープでも、周辺では開発が進む。上流のため池は既に埋め立てられた。「身近な生き物と共存できる環境をどう残すか。メダカがメッセージを投げかけている」と宮﨑さんは言う。

【 2018年06月14日 12時01分 】

ニュース写真

  • ビオトープでメダカを探す「乙訓の自然を守る会」のメンバーたち(12日午前、長岡京市下海印寺・旧小泉川)
  • 旧小泉川で昨年10月に発見されたミナミメダカの成魚(乙訓の自然を守る会提供)
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