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患者自身の抗体、発症の一因 自己免疫性膵炎で京大グループ解明

 国の指定難病「自己免疫性膵(すい)炎」の原因の一端が分かった、と京都大の研究グループが8日、発表した。患者本人の抗体が、膵臓の細胞周辺にある特定のタンパク質を攻撃していることを突き止めた。新しい診断法や治療法の開発につながる成果として、米科学誌に9日、掲載される。

 自己免疫性膵炎の患者は国内で推定5千~1万人。患者本人の免疫システムの異常で膵臓がはれ、肝硬変や糖尿病を引き起こすほか、画像診断で似た症状の膵臓がんと誤診され手術されるケースがある。2014年に難病指定され、発症の仕組みは不明だった。

 千葉勉名誉教授らは、患者から抽出した抗体を投与したマウスで、ヒトと同様の膵炎が発症することを確認。抗体が、膵臓内の細胞の周辺組織で接着剤的な役割を持つタンパク質「ラミニン511」を攻撃すること突き止めた。このタンパク質の抗体を人工的に作らせたマウスも膵炎を発症した。

 患者51人中26人がラミニン511の抗体を持っており、患者自身の抗体がこのタンパク質を攻撃することが、発症の原因の一つだと結論づけた。千葉名誉教授は「この抗体の有無が新しい診断基準になり得る。現在はステロイド治療しかないが、副作用の少ない治療法の開発にもつながる」と期待する。

【 2018年08月09日 03時00分 】

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