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元家裁調査官、小説家に転身 社会復帰テーマに創作活動

元家裁調査官の経験を生かし、小説を執筆する原浩一郎さん(大津市瀬田4丁目)
元家裁調査官の経験を生かし、小説を執筆する原浩一郎さん(大津市瀬田4丁目)

 京都家裁で調査官を務めた原浩一郎さん(62)=大津市瀬田4丁目=が、退職後に小説家デビューを果たし、受刑者の社会復帰などをテーマに創作活動を続けている。少年非行の問題と長く向き合ってきた経験を生かし、これまでに11作品を執筆。「自分とは無縁の世界と考えがちだが、環境次第で誰もが罪を犯しうることを伝えたい」と話す。

 鹿児島県出身の原さんは、1982年に裁判所の調査官として採用され、京都家裁には84~91年に勤務した。万引を繰り返したり、覚せい剤に手を出したりする子どもたちの多くが、貧困や虐待など恵まれない家庭環境にいることを痛感させられた。

 本格的に創作にのめり込んだのは、退職後の2007年ごろ。出版社の依頼で受刑者教材用の小説を書いたのがきっかけだった。デビュー作は4年前に書いた「アクリル板」。拘置所面会室のアクリル板越しに、死刑囚と家裁調査官が交流する姿を描き、「銀華文学賞」(アジア文化社)を受賞した。金に困り、犯罪に手を染めそうになる男性の胸の内を表現した「航路」は昨夏、舞台化された。

 現在は、大病を患って余命宣告を受けた出所者を主人公にした中編小説を執筆している。原さんの作品に登場する人物の多くは、成育歴や境遇にさまざまな事情を抱え、葛藤に悩む。原さんは「犯罪を自分の身近な問題として感じてもらえるよう、魂を揺さぶるような力のある物語を書きたい」と意気込んでいる。

【 2018年08月10日 22時20分 】

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