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政党機関紙、政務活動費で購入 京都、厳格運用求める声も

一部の府議や京都市議が政務活動費を使って購入していたそれぞれの所属政党の機関紙
一部の府議や京都市議が政務活動費を使って購入していたそれぞれの所属政党の機関紙

 2017年度に京都府議と京都市議の計16人が所属政党の機関紙の購入費を政務活動費から支出していたことが、8日までに分かった。政治色が強い団体の会費への支出も目立つ。いずれのケースも両議会は支出を認めているが、「政党・政治活動に当たる」などとして政活費を使っていない議員もいる。地方議員の「政務活動」と「政党・政治活動」の線引きは曖昧で、識者からは「議会として厳格な運用に取り組むべきだ」との指摘も出ている。

 各議員の政活費収支報告書を京都新聞が調べた。機関紙購読費への支出が特に多かったのは共産党府議で、13人のうち9人が機関紙「しんぶん赤旗」の購入費計36万5676円を資料購入費として計上していた。共産府議は「赤旗は他党の機関紙と違い、今の社会問題や中小企業の現状など多岐にわたって報道し、一般新聞と同じ。議会の議論にも活用している」と説明する。また共産の全府議が共産党本部の出版局が発行する「前衛」や「月刊学習」などの雑誌を購入し、総支出額は43万5610円だった。

 一方、共産党京都市議は全員、赤旗と党発行の雑誌に支出していなかった。共産は税金を原資とする政党助成金を受け取らず、党費や機関紙収入を主な収入源としていることから、ある市議は「機関紙は党活動を支えるものになるので支出していない」と語る。

 自民党は、機関紙「自由民主」と党女性局の機関誌「りぶる」に府議計4人が計1万7600円を充てていた。共産と同様に、市議の支出はなかった。

 公明党は、「公明新聞」に府議1人、市議2人が計6万7932円を支出していた。支出していない府議は「公明新聞は他都市の政策事例などが多く掲載され、議会活動にも活用しているが、ほかの議会で認めないケースも出ており、基本的には計上しないようにしている」と説明する。党発行の雑誌「月刊公明」の購入費には市議3人が計6468円を支出していた。

 一方、政治色が強い団体の会費を巡っては、自民府議の22人が保守系政治団体「日本会議」の会費として計25万1290円を調査研究費として支払っていた。年会費は1万2千円で、一部議員は案分や日割り計上した。報告書には支出目的として、会の月刊機関誌が皇室や憲法、安全保障などを取り上げていることを示し「府議として見識を高める上で大いに役に立った」と記述している。この記述は、多くの議員がほぼ同じ内容だった。市議の計上はなかった。

 また、旧民進党系の府議1人、市議3人は、連合京都議員フォーラムの会費(年2万円)に政活費を充てていた。フォーラムでは年数回、政策研修などを行っており、会費を支出していた市議は「研修での議論をもとに条例制定にもつなげた」と意義を訴える。ただ現時点ではフォーラムへの加入は連合京都が選挙で推薦を出す条件となっており、支出していない府議は「内容のある研修だが、有権者に『支援団体の会費』と誤解されかねない」と打ち明けた。

 地方議会では、石川県議会が17年度から政活費運用基準に「所属政党の機関紙は不可」と明記するなど年々見直しが進んでいる。

 政活費に詳しい折田泰宏弁護士は「かつての政務調査費から制度が変わり、かえって支出できる適用範囲が広がった」と指摘する。報告書ではどう政務活動に生かしたか確認しにくいケースも多い。一方で、各議会が運用マニュアルを定め、支出を認めない項目を具体的に明記するようになっているため、「政党機関誌の購入が限りなく政治活動に近いことや、政活費が公金であることを厳格に考え、各議会がマニュアルを見直していくべきだ」としている。

【 2018年08月13日 22時00分 】

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