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宇治茶で乾杯しませんか? 京都府、浸透向け検討へ

昨年のイベントでシャンパングラスにより提供された冷水出しの宇治茶。京都府は瓶詰商品の開発をはじめ、飲む機会を増やすために知恵を絞る(京都市下京区)
昨年のイベントでシャンパングラスにより提供された冷水出しの宇治茶。京都府は瓶詰商品の開発をはじめ、飲む機会を増やすために知恵を絞る(京都市下京区)

 お酒を飲めないなら、宇治茶で乾杯を-。京都府は本年度から、飲食店やホテルなどで宇治茶を有料のドリンクメニューの中に根付かせる取り組みを本格化させる。「ウーロン茶」のような地位を目指し、業界団体との連携で高級な瓶詰商品の開発や、「乾杯用宇治茶」などの飲み方提案の検討を進める。

 茶を巡っては近年、健康志向の高まりなどで抹茶需要が急増しているが、煎茶の生産量は減少しているほか、玉露の単価が低下している。多くの課題がある中で、府や業界団体などでつくる宇治茶ブランド新展開プロジェクト協議会は「店で出される緑茶は無料との意識が根強い」(府農産課)ことが宇治茶の普及を阻む主な要因と考えている。

 このため同協議会は、宇治茶を楽しむ場面や入れ方の提案を模索してきた。昨年12月にシャンパングラスで「水出し宇治茶」を提供するイベントを京都市内で開催したところ、3日間で1800人が訪れ、来場者の82%が「店に宇治茶メニューがあれば、注文してみたい」と回答した。

 このイベントで「無料のお茶」から抜け出すための手応えをつかみ、本年度は飲食店が扱いやすいように「瓶詰」による宇治茶提供の検討を始める。設備投資や品質保持など障壁もあるが、府茶協同組合は「急須でお茶を飲む家庭が減っており、飲む機会を増やしていかないと選択してもらえなくなる」と危機感を強める。宇治茶をメニューとして提供する協力店の開拓にも取り組む。

 近年、京都市の清酒乾杯条例のように、伝統産業振興のために地元の酒での乾杯を勧める条例が全国的に増えている。府農産課は「京都市に対抗するわけではないが、『お酒を飲めない昼間の会合』や『宴会の締め』など、シーンごとの提案も含めて普及に向けて知恵を絞りたい」としている。

【 2018年09月01日 17時00分 】

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