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朝日を浴びて走りだそう 初心者の注意点を紹介

早朝の鴨川を走るランナーら(京都市左京区)
早朝の鴨川を走るランナーら(京都市左京区)

 ランニングを始める人が周囲に増えてきた。体力づくりや健康増進が主な目的のようで、知られたコースは多くの人でにぎわう。ただ、決意はしても継続が難しいのも事実。そこでランニングの楽しさや医学的な意義、初心者の注意点を取材した。

■教室や練習会で仲間と楽しく

 9月上旬、京都市左京区の鴨川沿いコースを多くの市民が走っていた。早朝だけに日差しはまだ優しく、穏やかな川の流れも残暑の厳しさを和らげる。北区の前田勝さん(53)は15年ほど前から、週末はこのコースに通っている。

 日の出とともに自宅を出発し、京阪出町柳駅(左京区)周辺で折り返す往復約10キロ。およそ1時間弱だ。「山や川の景色がとても良い。自然の中で汗をかき、ストレス発散にもなる」と笑顔を見せる。終業後に職場内を走る平日を含め、週3~4日続け、体重は30代のころとまったく変わっていない。健康管理と合わせて、「いいことずくめ」という。

 ランニング初心者にとっては、意を決しても継続できるかどうかが問題だ。これに対し、前田さんは早朝ランを勧める。早起きにはなるが充実感に代え難いという。「朝日を浴びながら歩くだけでも気持ちいい。その中で短い距離を走ってみることから、まず始めてはどうか」と助言する。

 一人で走り続けようとしても、くじけそうなら、複数人で走る機会をつくるのもいい。京滋各地でランニングクラブが練習会などを開催しているほか、西京極総合運動公園(右京区)では、毎週水曜に実施される夜間教室「ナイトラン」に初心者向けクラスが設けられている。

 教室は楽しく走ることを重視しているという。開催日ごとに申し込む形式のため参加者の顔ぶれは毎回異なるが、すぐ打ち解けることが多いといい、担当者は「テレビ放映された陸上大会の感想などを話題にしているようだ」という。園内コースでのランニングのほか、体幹トレーニングや緩やかな上り坂でのもも上げといった、走りに無理の出ない姿勢をつくる基礎も教わることができる。

 ランニング後は大浴場で汗を流し、着替えも済ませてさっぱり-こんな楽しみ方も広がっている。ランナー向けに着替えなどの荷物を預かるサービスを行う銭湯が増えている。京都市はホームページで府内の銭湯のマップを掲載し、このサービスをどこで行っているかも紹介している。

■シューズ選び クッションは厚めを

 走りに慣れていない初心者のシューズ選びは、速さを追求する熟練者とは求める機能が異なる。京都市左京区のランニング用品専門店「京都キャロット」店長の藤井眞寿美さん(56)は「靴選びでは、けが予防の観点を大切にしてほしい」と強調する。

 藤井さんによると、ランニングでは、足や腰に体重の2~3倍の負担が掛かるという。衝撃を吸収するクッションの厚いシューズが欠かせない。膝の外側の靱帯(じんたい)を痛める「ランナーズニー」(腸脛(ちょうけい)靱帯炎)予防にも役立つ。初心者向けのシューズは250~300グラムあり、速さ重視で160グラム程度と軽量化された熟練者向けを選びたくなるが、「走るための筋肉が十分についていない初心者には、負担が大きい」という。

 購入時はサイズを決め込まず、店員に計測してもらった上で、試着することを勧めている。同じサイズ表記でも、足先に余分をもって履くのか、ぴったり合わせることを推奨しているのか、メーカーによって設計が違う。さらに同じメーカーの同サイズでも実寸が異なる場合もあるからだ。

 靴下も合わせて購入したい。シューズ内に湿気がこもるとマメができやすくなるといい、ランニング用は蒸れにくい素材が多い。ジャケットや短パンなどのウエアは、「女性はかわいいものを買うだけで走る意欲が高まる」らしい。通勤時に走る人向けの軽量バッグも販売されている。

 シューズの適切な履き方について、藤井さんは「脱ぐ時は靴ひもをゆるめ、履くときに締めることを徹底してほしい」と強調する。シューズでとりわけ大切なかかと部分の「ヒールカップ」を踏みつぶさないためだ。ここにかかとを包むことで、着地時の足を安定させ、けがから守ったり、走りに悪い癖がつくのを避けることができる。

■履き方 かかとはつぶさないで

 靴ひもを下から均等に緩め=写真(1)、ヒールカップを踏まないように足を入れたら=同(2)、かかとを立てた状態でしっかりヒールカップの奥まで入れ、靴ひもを下から同じ力で締めていく=同(3)。最後には逆につま先を地面に付けた状態で、靴ひもを結ぶ=同(4)。

■有酸素運動はメリットしかない  京都市立病院医師・檜垣聡さん

 自らも走っている京都市立病院(京都市中京区)の檜垣聡・総合診療科副部長(44)に健康づくりでのメリットを聞いた。

 朝か夕方に週5日以上、ジョギング程度のペースで30分ほどかけて約5キロを走っている。運動は一日30分以上、週3回を目安にやると効果がある。10分を3回に分けてもいい。運動をしていなかった人は無理のない範囲で、とにかく最初の一歩を。次第に距離や回数を増やせる体になってくる。走ることに限らず水泳でもウオーキングでも、有酸素運動は健康面でメリットしかない。

 30代~40代からは生活習慣病対策だ。運動は高血圧と糖尿病、脂質代謝異常症(高脂血症)に明らかな予防、抑制の効果があるとされている。脂肪を燃焼し、全身の代謝を改善させるため、動脈硬化のリスクを減少させたり、血糖を抑えるインスリンの働きが良くなる。コレステロール値も下がる。筋力トレーニングも組み合わせるといい。

 加齢で筋肉が衰える高齢者にとっては身体機能の維持につながり、骨折や転倒の予防、ひいては寝たきりになりにくい体をつくることになる。

 ただ、70歳を超えて急に走り始めるのは無理があるため、自宅でできるものでもいい。太りすぎや膝に不安のある人で身体的な負担が大きい場合、最初はウオーキングでも十分ではないか。体の状態に見合った運動をしてほしい。

【 2018年09月22日 16時41分 】

ニュース写真

  • 早朝の鴨川を走るランナーら(京都市左京区)
  • シューズの履き方
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

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