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地方創生、未来像見えず 京都、期待と不安交錯

地方創生の交付金も活用し、地域を挙げて観光客の増加や魅力の向上に取り組んでいる天橋立。関西空港が台風で被災した影響で、外国人観光客が減っている(宮津市文珠)
地方創生の交付金も活用し、地域を挙げて観光客の増加や魅力の向上に取り組んでいる天橋立。関西空港が台風で被災した影響で、外国人観光客が減っている(宮津市文珠)

 人口減少社会に対応し、東京一極集中の是正や地方の活性化を進めるため、安倍政権は「地方創生」を重点政策に掲げてきた。自民党総裁選でも論点の一つとなったが、成果や課題を巡る議論は深まらず、事業に知恵を絞ってきた京都府内の自治体などは「創生」の到達点を見通せないまま政策の先行きに期待と不安を交錯させている。

 「関西空港が止まって、目に見えて減りました」。天橋立観光協会(宮津市)の小倉信彦会長(64)は困惑気味に話す。台風21号で関空が被災し、外国人観光客でにぎわっていた流れが途切れた。市が地方創生戦略で打ち出していた観光客の目標(2019年度に300万人)を17年に達成し、好調だっただけに、影響の長期化を懸念する。

 府主導で「海の京都」をPRしている府北部では、府と7市町などが府北部地域連携都市圏振興社(DMO)を16年に設立し、事業に国の地方創生の交付金を活用している。外国人客の増加や京都縦貫自動車道の延伸が追い風となり、天橋立でもライトアップを始めたり、シーカヤックなどの体験施設の運営を始めたりと工夫を凝らしてきた。

 小倉会長は「設備の充実や多言語対応のガイド育成など、協会としてやるべきことはまだまだある」とした上で、観光産業は繁忙期と閑散期の差が大きく、安定雇用が難しい課題を挙げ「過疎化や高齢化のスピードは早い。観光産業に若い人が戻ってくる流れにつなげていくのが大事」と息の長い取り組みを見据える。

 7市町は人口減少で地域が衰退していく危機感から、観光を含む幅広い分野で協力する組織としてDMOとは別の「地域連携都市圏」をつくり、15年から首長による会合を重ねている。年間約2900万円の事業費(17年度)のうち半額を地方創生の交付金で賄い、地元企業への就職を呼び掛ける合同説明会の開催などを進めてきたが、成果は「これから分析する」(事務局)という段階だ。

 圏域を「30万都市」と見立てて地域活性化と行政の効率化を目指すが、連携組織はDMOとは違い、地方自治法上の位置付けがなく、財源も不安定だ。事務局を担う舞鶴市の担当者は「7市町で協力していくベクトルははっきりしている。とにかく実績を上げていくしかない」と模索を続けている。

【 2018年09月23日 11時40分 】

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