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ビール、ウイスキー工場見学人気 京都・匠の技外国人も注目

試飲のビールで喉を潤す見学者たち(長岡京市・サントリー京都ビール工場)
試飲のビールで喉を潤す見学者たち(長岡京市・サントリー京都ビール工場)

 手軽で満足度の高いレジャーとして、乙訓地域では工場見学が高い人気を誇る。最新のテクノロジーと伝統を重んじた匠(たくみ)の技が融合した日本のものづくりの現場は外国人からも注目され、観光振興にも一役買っている。

 ■ここでしか飲めない原酒

 阪急西山天王山駅近くに立つサントリー京都ビール工場(長岡京市)は1969年に完成し、同年から見学者の受け入れを始めた。同駅やJR長岡京駅を巡回する無料送迎バスを運行させており、近年は毎年約10万人が訪れる人気の観光スポットだ。工場に並ぶ仕込み釜の内部や、同社で全国に4カ所あるビール工場のうち京都の工場だけで生産されている瓶ビールの容器詰めの工程などを間近で見ることができる。鳥取県から来た稲田才子さん(56)は「作っている人たちの思いが伝わり感動した」と話し、試飲コーナーで工場で作られたビールをゆっくりと味わっていた。

 同工場から南西に約3キロに位置する日本の洋酒のふるさと、サントリー山崎蒸溜所(大阪府島本町)では、発酵から蒸留、熟成といった一連の製造工程を見学し、樽(たる)ごとの原酒とそれらを混ぜ合わせて作られた人気銘柄「山崎」をそれぞれ試飲して配合の妙も体感できる。

 同蒸溜所には、近年のウイスキーブームで2017年は前年を7千人上回る12万7千人が詰めかけた。日本のウイスキーは海外での評価も高まっており、製造工程を見学する参加者全体のうち外国人が占める割合は15年に16%だったのが、17年には4人に1人以上となる27%に達した。国・地域別では、米国、香港、オーストラリアの順に多いという。

 オーストラリアから訪れた女性のメリディス・フォスターさん(71)は「自国でも日本のウイスキーが人気で、見学できることを友人にうらやましがられた。cをテイスティングできるのがうれしい」と興奮した様子。日本人にとっても山崎蒸溜所はウイスキーの「聖地」で、宮城県から夫婦で訪れた阿部貴芳さん(28)と成美さん(28)は「ガラス越しと思っていたのに、間近で見られて驚いた。試飲では、これまで飲んだことのあるものと味や香りが全然違った」と話していた。

 ■線香の意味合いも伝える

 香老舗の松栄堂(京都市中京区)の長岡京工場(長岡京市)も1989年の開設時から見学を受け付ける。知り合い同士のグループから修学旅行生や社会見学の小学生、僧侶、東南アジアからの観光客など訪れる人たちはさまざま。線香を立てる意味合いや風習など日本の伝統文化を伝える場にもしているという。

 工場では樹木や果実などの粉末を混ぜて練り合わせ、穴の開いた金具に通して仕上げる作業を見ることができる。「従業員はぬくもりを込めて商品を作っている。そんな思いを伝えることができたら」と工場長の高宮音彦さん(60)は願う。

【 2018年10月08日 09時16分 】

ニュース写真

  • 試飲のビールで喉を潤す見学者たち(長岡京市・サントリー京都ビール工場)
  • ウイスキーの製造工程の説明を受ける参加者たち。イヤホンガイドを手にする外国人観光客の姿も目立つ(大阪府島本町・サントリー山崎蒸溜所)
  • 機械から押し出された切断前の線香(長岡京市・松栄堂長岡工場)
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