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ガイナックスの創立メンバーも 京都でアニメスタジオ相次ぐ

鉛筆でキャラクターが動くように見せるための絵を描くGAINAX京都のスタッフたち(京都市左京区)
鉛筆でキャラクターが動くように見せるための絵を描くGAINAX京都のスタッフたち(京都市左京区)

 京都市内で近年、アニメ制作スタジオの設立が相次いでいる。2012年以降、4社が新たに本社や事業所を置き、さらに1社が開設を予定している。背景には、アニメの市場が拡大する中、不足する人材を東京以外でも確保しようという流れがあり、京都経済の活性化にもつながるとして期待が高まっている。

 GAINAX(ガイナックス)京都(左京区)は、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を制作した「ガイナックス」(東京)の創立メンバーである武田康廣氏が16年11月に設立した。キャラクターの動きに合わせて微妙に違う絵を鉛筆で何枚も描く「動画」の業務を請け負い、現在は20代の若者約10人が働く。

 起業したのは若い人材を育成するためだ。東京はアニメの制作会社が集中し、地方から人材が集まる一方で、物価や家賃が高く、若者の生活環境は厳しくなっている。東京に出なくても京都で技術を高められる環境を整えようと会社の設立に至ったという。

 武田社長は「東京でアニメを制作するのは限界だと感じた。東京からの下請けだけでなく、京都を舞台にしたオリジナルアニメもいずれ作りたい」と意気込む。

 アニメやゲームを通じた雇用創出を目指す京都クロスメディア推進戦略拠点(上京区)によると、12年以降、同社のほかに東京のアニメ制作会社3社が市内で京都事業所を開設。今後もマジックバス(東京)が来春の開設を計画する。

 同拠点の担当者は「東京のアニメ制作会社は人手不足で近年、福岡や大阪など地方にスタジオを作る流れがある。京都は美術系大学が多く、文化的イメージも強い。採用面でメリットがあるため急増している」と解説する。

 実際、アニメ市場は年々拡大している。日本動画協会(東京)によると、市場規模(関連商品など含む)は10年の1兆3千億円から16年には2兆円に増加した。テレビアニメのタイトル数なども近年増加傾向にある。

 京都市内では、ゲームの制作会社もスマートフォン用アプリの普及で近年増えている。同拠点の調べでは今や約50社に上る。市はアニメやゲーム、漫画などを「コンテンツ産業」として振興。9月には初めてアニメ、ゲーム企業計15社による合同就職説明会を左京区のみやこめっせで開催し、約270人が集まった。

 市新産業振興室は「説明会は予想を超える参加者数だった。注目されている産業のパワーを感じた。伝統産業などとも連携して京都経済の活発化に貢献してほしい」としている。

【 2018年10月13日 20時35分 】

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