出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

輝く鳳凰、使うのもったいない? 平等院消しゴム、予想外の人気

4種類ある平等院のオリジナル消しゴム。光の加減によって表情が変化する
4種類ある平等院のオリジナル消しゴム。光の加減によって表情が変化する

 世界遺産の平等院(京都府宇治市宇治)で、オリジナルの消しゴムが売れている。その数、年間1万5千個―。1個350円と安くはないものの、優れたデザインが注目を浴び、文具が身近な修学旅行生や家族連れらの人気土産になっている。「これほど売れるのは予想外。日常でもお寺や仏様を感じるきっかけにしてほしい」と平等院関係者は期待を込める。

 消しゴムは4種類あり、境内のミュージアムショップで販売している。白地のケースに平等院鳳凰堂(ほうおうどう)、鳳凰像、雲中供養菩薩(ぼさつ)像が金色で箔(はく)押しされている。陰影が施されて模様が立体的に浮かび、光の加減によって表情も変わる。修学旅行で東京から訪れた高校2年の女子(17)は「小学3年の弟に買った。鳳凰が格好良くて気に入るはず」。手に取った人からは「かわいい」「使うのがもったいない」といった声も上がる。

 このケースを手掛けたのは、京都市右京区などに事務所を構えるデザイン会社「GRAPH(グラフ)」。平等院の図録を以前担当した縁で、ミュージアムグッズに関わることに。拝観者に修学旅行生が多いことに着目し、商品になかった消しゴムを提案した。

 同社には老舗消しゴムメーカー「シード」(大阪市)や、東京大生協で販売する消しゴムをデザインした実績もある。平等院とのやりとりで当初は1個500円を想定していたが、子どもが気軽に買えることや、他の商品とのバランスを考慮して350円に。グラフの北川一成社長(53)は「仏の世界の光り輝くイメージをシンボリックに表現し、クールさも出すため金一色にした。もともと印刷会社なので、価格を抑えながらデザインを表現する技術がある」と語る。

 1万8千個を生産し、一昨年12月に販売を始めた。平等院事務局の宮城沙紀さん(31)は「本当に売れるのか不安が大きかった」と振り返るが、売れ行きは約100点ある商品の中でもポストカードやハンカチなどに次ぐ上位だ。

 「修学旅行生だけでなく、孫や友人の子どもへのお土産として買う人が多い」と宮城さん。外国人客にも受けが良く、売り場には英語で日本製と記して、消しゴム自体の品質の良さもアピールする。昨夏には同社によるロール付箋紙を販売し、新作も検討している。

 宮城さんは「ミュージアムショップは拝観の最後にあり、平等院で感じたことや思い出を形にして持って帰っていただくのが役割。消しゴムもその一つとして、長く愛されてほしい」と話す。

【 2018年10月18日 17時31分 】

ニュース写真

  • 4種類ある平等院のオリジナル消しゴム。光の加減によって表情が変化する
  • 約100点の商品が売られている平等院のミュージアムショップ(宇治市宇治・平等院)
京都新聞デジタル版のご案内

    地域のニュース

    全国のニュース