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北陸新幹線工事で配水管破損「ずさんの一言」京都府市が不信感

鉄道建設・運輸施設整備支援機構が地質調査の工事中に誤って配水管を破損させた現場(京都市左京区・宝が池公園)
鉄道建設・運輸施設整備支援機構が地質調査の工事中に誤って配水管を破損させた現場(京都市左京区・宝が池公園)

 京都市左京区の宝が池公園内で、北陸新幹線のルート選定のための掘削工事中に業者が配水管を破損させ、大規模な断水が発生した問題で、京都府や京都市が今後の工事の行方を注視している。府域を縦断するルートは生態系や地下水に多大な影響を及ぼす可能性があるためだ。発注元の鉄道建設・運輸施設整備支援機構の幹部が26日、中京区の市役所と上京区の府庁を訪れて謝罪したが、ずさんな調査に不信感が広がっている。

■初歩的ミス「ずさんの一言」

 「やるべきことをやっていない」

 26日午前に市役所を訪れた同機構大阪支社の渡邉修支社長に対し、市幹部はいら立ちを隠さなかった。

 北陸新幹線の敦賀-新大阪ルートは、JR京都駅(下京区)や松井山手駅(京田辺市)を経由することが決まっている。詳細なルートを選定するため、同機構は今月から宝が池公園をはじめ、京都市右京区と北区、南丹市美山町の計4カ所で、地盤や地質を調べるボーリング工事を始めた。

 同公園では22日正午ごろ、下請け業者が重機を使って掘削していたが、地下1・3メートル地点にある配水管に気付かず、破損させた。この影響で、左京区と北区の約5千戸が一時断水した。

 同機構は事前に配水管を管理する市上下水道局と公園を所管する市建設局からそれぞれ同公園内の地下埋設物の位置図を入手していたが、市建設局の図面にすべて記載されていると思い込み、配水管の位置を示した市上下水道局の図面を下請け業者に渡していなかった。また、市上下水道局には工事について事前に連絡していなかった。

 初歩的なミスに、市幹部は「図面を入手したら終わりというのは、ずさんの一言に尽きる」とあきれ顔。府幹部も「文化財や地下水脈に気を付けてほしいという意味で慎重な調査を求めてきたが、まさか水道管という基本的なレベルの話とは…」と眉をひそめた。

 北陸新幹線の敦賀以西ルートは、府内の大部分で地下を通る見込みで、広大な原生林が残る「芦生の森」(南丹市美山町)や、酒どころ・伏見に欠かせない豊かな地下水への影響が懸念されている。

 同機構は事故を受け、同公園を含むボーリング調査を中断しているが、本年度中に詳細なルートを確定するため、調査を急ぐとみられる。事故原因を軽微なミスとして片付けず、組織体制の再点検や府民への丁寧な説明に努める必要がある。

【 2018年11月27日 11時39分 】

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