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サンガ、ゴール裏でも目立つ空席 新スタジアムで熱気戻せるか

2020年からサンガが使う予定の新スタジアム。クラブの魅力を高められるかが、来季は問われる(21日、亀岡市)
2020年からサンガが使う予定の新スタジアム。クラブの魅力を高められるかが、来季は問われる(21日、亀岡市)

 雨天で平日のナイトゲーム。6月に西京極で開催された天皇杯2回戦のJ2金沢戦は、816人しか入場者がいなかった。客足が鈍る要因がそろっていたとはいえ、同日に全国で行われた32試合で2番目に少ない。あるサンガのスタッフは「何も動員をかけなければ、これが今のうちの実力かもしれない」と力なくつぶやいた。

 今季最多の9036人を集めた第40節のホーム愛媛戦。クラブは「大勢の観客の前で選手にプレーさせてやりたい」とスタッフ総出でビラ配りや企業営業に奔走した。この試合で定めた目標の9千人を達成したが、無料の招待券を積極的に配った効果が大きかった。

 熱心なサポーターが集うゴール裏ですら、空席が目立った。リーグ戦の平均入場者数は昨季より1085人減の5663人で、J2の22クラブのうち14番目。J2に初降格した2001年の3808人に次いで少なかった。

 気になるのはサポーターとクラブの不協和音だ。選手を乗せたバスが西京極に入る時にサポーターが太鼓をたたいて出迎える光景は、今季の後半から見られなくなった。極度の不振に一部サポーターの批判が激しくなると、クラブ幹部は「建設的な話し合いができない。選手もそう感じている」と反発。両者の溝が、ホームの雰囲気に影を落としている。

 20年の新スタジアム開業を控えてサンガへの関心度やイメージ低下が広がっている現実に直面し、京都サッカー界では危機感が広がった。府サッカー協会の村山義彰会長は9月、シーズン中では異例となる東城陽グラウンドへの訪問を行い、「京都の子どもたちの夢は皆さん方。京都総ぐるみでサポートする」と選手に発奮を促した。

 サンガOBで元日本代表の松山吉之さんは「生え抜きを育てて、京都の人が応援したくなるチームづくりを」と提言する。クラブは「TEAM京都」と題してネット上で応援メッセージを集め、地域との一体感を生み出そうとしている。

 約2万1600人を収容する新スタジアムはJR亀岡駅前で、その姿を見せ始めた。器に見合ったクラブとなれるか。完成前年となる来季は熱気を呼び戻すため、フロント、選手、サポーターが互いの関係を見つめ直し、市民を巻き込んでサンガの価値を高めることが欠かせない。

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 <連載 危機J2サンガ その3完>J2京都サンガFCは過去最低の19位で今季を終え、かろうじてJ3降格を回避した。設立25年目のサンガが直面した最大の危機。その背景を探った。

【 2018年11月27日 19時11分 】

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